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最新パーツ性能チェック 第84回

世界初のDirectX 11対応GPU「ATI Radeon HD 5870」最速レビュー

2009年09月23日 13時01分更新

文● 石井 英男

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 AMDは9月23日、DirectX 11対応GPU「ATI Radeon HD 5870/5850」(以下、Radeon HD 5870/5850)を発表した。
 従来のRadeon HD 4000シリーズは、DirectX 10.1(Shader Model 4.1)に対応していたが、Radeon HD 5870/5850は、世界で初めて次世代DirectXであるDirectX 11(Shader Model 5.0)に対応したことが最大の特徴だ。もちろん、旧世代の製品に比べて、描画パフォーマンスも大きく向上している。今回は、Radeon HD 5870のリファレンスカードを入手したので、早速レビューしていきたい。

DirectX 11に対応したビデオカード「ATI Radeon HD 5870」

スペック比較

 まず、Radeon HD 5870のスペックを見ていこう。従来のハイエンドモデルである「Radeon HD 4890」および、ライバルとなるであろうNVIDIA製GPUの最上位モデル「GeForce GTX 295」、「GeForce GTX 275」とあわせてスペック表を作成したので、比べてみたい。

各ビデオカードの比較表
GPU Radeon HD 5870 Radeon HD 4890 GeForce GTX 295 GeForce GTX 275
コードネーム RV870 RV790 GT200b GT200
トランジスタ数 21億5000万 9億5900万 28億(14億×2) 14億
プロセスルール 40nm 55nm 55nm 55nm
シェーダバージョン 5.0 4.1 4.0 4.0
DirectX対応 11 10.1 10.0 10.0
シェーダ/ストリーミングプロセッサ数 1600基 800基 480基(240基×2) 240基
テクスチャ
ユニット数
80基 40基 160基(80基×2) 80基
ROPユニット数 32基 16基 56基(28基×2) 28基
コアクロック 850MHz 850MHz 576MHz 633MHz
シェーダクロック 850MHz 850MHz 1242MHz 1404MHz
メモリクロック 4.8GHz相当 3.9GHz相当 1.998GHz相当 2.268GHz相当
メモリ種別 GDDR5 GDDR5 GDDR3 GDDR3
メモリインターフェイス 256bit 256bit 896bit(448bit×2) 448bit
メモリ容量 1GB 1GB 1792MB(896MB×2) 896MB
PCI Expressタイプ 2.0 2.0 2.0 2.0
PCIe電源タイプ 6ピン×2 6ピン×2 6ピン×1+8ピン×1 6ピン×2
消費電力 188W 190W 289W 219W
実売価格 399ドル 2万6000円前後 5万3000円前後 3万円前後

 Radeon HD 5870は、1000の位が増えていることからもわかるように、従来のRadeon HD 4000シリーズとは世代が異なる、全く新しい設計のGPUである。プロセスルールは、最新の40nmプロセスであり、21億5000万個ものトランジスタを1つのダイに集積している。Radeon HD 4890と比べるとトランジスタ数は2倍以上で、GeForce GTX 275と比べても1.5倍以上になる。
 ストリーミングプロセッサの数は1800基、テクスチャユニットの数は80基、ROPユニット数は32基で、それぞれRadeon HD 4890の2倍となっている。コアクロックは、Radeon HD 4890と同じく850MHzだが、メモリクロックが3.9GHz相当から4.8GHz相当へと上がっているため、理論上はRadeon HD 4890の2倍以上の性能を持つことになる。
 また、省電力機能も強化されており、アイドル時の消費電力は27Wと非常に低い(Radeon HD 4870のアイドル時の消費電力は90W)。つまり、従来の2GPU構成の「Radeon HD 4870 X2」と同じ性能をより低い消費電力で実現しており、電力あたりの性能は非常に高い。

(次ページへ続く)

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