ガソリン車としてみれば燃費は悪くない
エンジンは2L 直4ターボ型。最高出力は230馬力、最大トルクは35.6kgf・mと、近年の欧州車や某TYPE-Rと比べると見劣りするものの、必要にして十分なスペックです。
これを9速ATと組み合わせて、四輪に動力を伝えます。走行モードはツーリング(4WDと2WD)、スポーツ(4WD)、オフロード(4WD)が用意され、2WDを選択した方が燃費は稼げそう。切替はアームレスト近傍のMODEボタンで行ないます。
スペックシートを見ると、米国EPA値でシティーが23mpg(約9.8km/リッター)、ハイウェイが28mpg(約11.9km/リッター)とのこと。ということで、2WDモードで都内の一般道を走ったところ、6.2km/リッター。ハリヤーのハイブリッドは都内でもリッター10kmは走るので、白旗を挙げざるを得ないのですが、純ガソリンエンジン車としてみると、キャデラックXT4の燃費は普通より少し悪い程度です。
言い換えるなら、日本のハイブリッド車が燃費オバケで、キャデラックに限らず、程度の差はあれど輸入車は大きく見劣りします。
高級感はあるけど左ハンドルしかない
XT4の車内を見てみましょう。大きなドアはサイドシルまで囲っているので、雨の日にロングスカートやパンツの裾が濡れるのを防いでいます。アメリカの人は、細かなところまで気が利くなぁと感心します。
後席は広く、足元もゆったり。四輪駆動車なのに床面がほぼフラットであることにも驚かされました。本革シート(一部は人工皮革)は肉厚で、欧州車に比べるとシッカリ感があります。グッチやルイ・ヴィトンなどの欧州ブランドと、COACHの違いにも通じるものを感じます。
USBポートは、Type-AとType-Cを各1系統用意。エアコン送風口には温度調整機能も用意されており、後席に座った人に快適さを提供します。
運転席を見ると、イマドキの33インチカーブドディスプレイのメーターパネルが目を惹きます。それ以上に「左ハンドルなのか……」とも。キャデラックXT4に限らず、キャデラックのガソリンエンジン車は右ハンドルの設定はありません。そもそも、本国では右ハンドル車を作っていないのです。
左ハンドルは慣れれば大したことないのですが、一番困るのが時間貸し駐車場でのパーキングチケットや決済で、いちいちクルマを降りないといけません。簡単に「右ハンドルを用意すればいいのに」と思うのですが、自動車工場を見学すると、右ハンドルと左ハンドルの混合生産は大変であること実感します。
米国大統領が日本でクルマを売りたいけれど、ハンドル位置を変えたくない。一見矛盾する話です。でもチャンスはありました。今から80年前、コーンパイプを加えた連合国軍最高司令官が日本を統治していた時に、日本を右側通行にすればよかったのです。
日本が左側通行なのは、江戸時代の「武士が左腰に刀を差していたため、すれ違う際に鞘がぶつからないように左側通行していた習慣」が起源なのだとか。そういわれてみると、カウボーイが腰に下げる銃の位置は右側ですね。
話をクルマに戻しましょう。ナビはスマホを利用。Apple CarPlay、Android Autoの両方に対応します。ですがワイヤレス接続には対応していません。USBポートはアームレスト内に用意されており、コネクターはType-AとType-Cを用意。実際使ってみたのですが、残念ながらフルスクリーン表示はしないようです。
スマホトレイはアームレスト前方に配置。ワイヤレス充電に対応しており、斜めに差し込んで固定します。これは意外と使いやすかったりします。
運転支援はアダプティブクルーズコントロール、カメラビューなど現代的な機能を網羅。レーンキープアシストはありますが、ステアリング操作をする機能は搭載していないようです。
見た目からは想像できない
スポーティーさと快適さ
乗って最初に驚いたのは、意外とスポーティーであるということ。結構、気持ちのよいエキゾーストを奏でて、トルク優勢の走りでクルマがガンガン前に進みたがります。でありながら、エンジンは静かで滑らか。アイドリングストップからの復帰もショックがほぼなく、とても快適です。
駆動系も印象的ですが、まるで路面を滑るような足にも驚き。適度な硬さを残しつつも、基本的には柔らかい傾向。これが日本の道に意外とマッチしており、硬質なドイツ車よりコッチの方がイイ、という人もいるかもしれません。
2WDと4WDの違いも明確。さらに言えばスポーツモードなどの違いもかなり明瞭で、可変ダンパーゆえか足も一気に引き締まる。ワインディングはAWDモード、街中はツーリング(2WD)モードと積極的に使い分けて楽しみたいところ。あと、意外にもスポーツの方が街中ではドイツ車的な硬さで走りやすい時もありました。
ルームミラーはカメラ式で、シートはほぼフルフラットにできるなど、触れれば触れるほど、乗れば乗るほど、「キャデラック、結構いいじゃないか」というのが正直な感想。トランプ大統領が色々いうものだから、食わず嫌いになったり、偏見を抱くのは仕方がないですが、でも触れてみるときっと考えが変わると思います。
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