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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第516回

高級ミニバン「Vクラス」と「ヴェルファイア」を乗り比べ! どっちが買いかを検証する

2025年04月20日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII 車両協力●メルセデス・ベンツ日本

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ミニバン

メルセデス・ベンツ/「V220d」(940万円・左)、「V220dエクスクルーシブ ロング プラチナムスイート」(1355万円)

 メルセデス・ベンツのバン「Vクラス」が内外装デザインや機能装備等の大幅なアップデートを実施した。高級ミニバンとして、海外ではVIPやセレブの送迎車として使われることが多いVクラス。価格はやや違うが、日本にもトヨタが誇るラグジュアリーなミニバン「アルファード/ヴェルファイア」がある!

 ということで、同じVIP御用達ミニバン同士、どっちが快適なのかが本稿のテーマ。なお、今回はアルファードではなく、ヴェルファイヤと比較をした。

【ミニバン対決1 ラインナップと価格】
ヴェルファイアの最上位か、Vクラスのエントリーか!?

ミニバン

トヨタ/ヴェルファイア(このグレードはZ プレミアで670万円)

 「ヴェルファイアとVクラスでは値段が違いすぎるだろ」と思うかもしれない。そのご指摘はごもっとも。事実、ヴェルファイアは670万円~1085万円、Vクラスは940万円~1370万円。価格的な差はかなりある。だが、ヴェルファイアの最上位グレードが1000万円以上するので、Vクラスのエントリーモデルならヴェルファイアより安く買える、と考えれば選択肢に入るだろう。

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「V220dエクスクルーシブ エクストラロング ブラックスイート」(1370万円)

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 またVクラスの価格差は「V220d」(940万円)、「V220dロング」(975万円)、「V220dエクストラロング」(1020万円)と、名前のとおりボディーサイズの差によるところが大きい。ロングとエクストラロングには、豪華内装の「V220dエクスクルーシブ ロング プラチナムスイート」(1355万円)と「V220dエクスクルーシブ エクストラロング ブラックスイート」(1370万円)が用意されている。

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レクサス LM

 「Vクラスと比較するなら、レクサスのLMだろう」という声もわかる。だがレクサスになると、1500万円(3列・6人乗り)でレクサスの方が圧倒的高価になってしまう。ちなみに、2列・4人乗りの「エグゼクティブ」グレードは2000万円というプライスタグがつく。そうなるとVクラスと比較するなら、やはりアルファードやヴェルファイアの最上位が現実的だと考えた次第。

【ミニバン対決2 ボディーサイズ】
メルセデスの方がラージサイズ

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V220d

ミニバン
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V220dエクスクルーシブ ロング プラチナムスイート

ミニバン
ミニバン

 まずは「V220d」「V220dロング」「V220dエクストラロング」のボディーサイズから。3車種とも全幅1930mm、全高1880mmは共通だが、全長は4895mm、5150mm、5370mmで、ベーシックグレードとエクストラロングでは475mmも異なる。

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ヴェルファイア

ミニバン
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 一方、ヴェルファイアは全幅1850×全高1945×全長4995mm。よって全幅はVクラス、全高はヴェルファイア、全長はVクラスベーシックグレードよりヴェルファイアの方が長いものの、ロングからはVクラスが上回る。ヴェルファイアで狭いという人は、Vクラスのほうがいいだろう。

 エクステリアに関しては、どちらも押し出しの強い印象を受ける。Vクラスはスリーポインテッドスター(メルセデスの象徴)をちりばめたグリルと、2本ルーバーを組み合わせて、ド迫力の印象だ。

 スリーポインテッドスターのボンネットマスコットも装備する「V220dエクスクルーシブ ロング プラチナムスイート」「V220dエクスクルーシブ エクストラロング ブラックスイート」の2グレードは、5本ルーバーのグリルで上品な印象を受ける。

 だが押しの強さはヴェルファイアが上回る。それは顔つきだけでなく、Vクラスがバンのような見た目であるのに対し、ワンボックスのようなシルエットというところもあるだろう。ともあれ、ヴェルファイアの迫力はスゴいのひとことだ。

ミニバン対決3 エンジン性能
ハイブリッドとガソリンVSディーゼル

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Vクラスの2L ディーゼル ターボエンジン

 Vクラスのパワートレインは全車共通で、最高出力163PSの2L 直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ型。「このボディーサイズでこのスペックはちょっと非力じゃない?」と思ってしまうが、走らせてみると必要にして十分という印象を受ける。燃費は12.6km/L(WLTCモード)が公称値。ちなみに駆動方式はFR(フロントエンジン/リアドライブ)だ。

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ヴェルファイアの2.4L ターボエンジン

 ヴェルファイアは、最高出力190PSの2.5L ハイブリッドと、最高出力279PSの2.4L 直4ターボエンジンの2種類、そして最近追加されたプラグインハイブリッド(PHEV、充電できるハイブリッド)が最高出力177PS。

 気になるヴェルファイアの燃費は、ハイブリッドが16.5km/L(4WD)と17.7km/L(FF)、ターボが10.2km/L(4WD)と10.3km/L(FF)、PHEVが16.7km/L。さすがに約2.2トンもの車重があるのでターボモデルは燃費が厳しい。

 最高出力でヴェルファイアのターボ、燃費でヴェルファイアのハイブリッドが上回るものの、注目すべきはヴェルファイアがガソリン車であるのに対し、Vクラスが軽油であること。つまり燃料費が異なる。長距離移動で経済性を考えると、ヴェルファイアのハイブリッドとVクラスで悩みそうだ。

 仮に同じターボモデルで東京→大阪を500km走ったとして、Vクラスは500÷12.6=39.7L消費、ヴェルファイアのハイブリッド(FF)の場合、500÷10.3=48.5L消費。軽油が160円として、160×39.7=6352円、レギュラーが180円として、180×48.5=8730円と、約2000円ちょっとの差が出る。ヴェルファイヤのハイブリッドモデルの場合は5000円くらいなので、そうなるとVクラスを逆転する。

 また、雪国などでは四輪駆動モデルがあるという点で、ヴェルファイアが好適といえそうだ。

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