あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第512回

メルセデスの大人気SUV「Gクラス」対決! V8エンジン「G 63」とEV「G 580」の魅力を比較

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII 車両協力●メルセデス・ベンツ日本

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Gクラス

メルセデス・ベンツ/G 580 with Technology Edition 1(左)とMercedes-AMG/G 63

 メルセデス・ベンツの中でも圧倒的人気を誇るラグジュアリーSUVの「Gクラス」。新型Gクラスには、エンジン車の「G 450d」のほか、高出力バージョンの「Mercedes-AMG G 63」、EVの「G 580 with Technology Edition 1」がラインアップされている。

 「エンジン車とEV、どっちがいいですか?」と聞かれたら、「所有欲を満たすのはG 63だけど、実用的で日常使いならG 580」と答えるでしょう。どうしてそのように感じたのか、その違いをお伝えする。

走行性能はG 580に軍配

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 まずはG 63のスペックから。搭載するエンジンは4L V8ツインターボで、最高出力は580PS、最大トルクは850N・m。さらにISG機構(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター。オルタネーターとスターターの機能を兼ね備えたジェネレーターで、エンジンとトランスミッションの間に挟まる)の出力20PSと208N・mが加わる。

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 一方、EVのG 580はというと、タイヤごとに147PSと291N・mのモーターを有し、最高出力587PSで、最大トルクは1164N・m! 最高出力はG63、トルクはG580に軍配が上がる。だが、EVは1本のタイヤごとにそれぞれモーターを割り当てているため、左右の車輪を逆回転させてUターンをする「G-TURN」や、25km/hでの低速で内輪と外輪の回転数を変えて、より小さく曲がる「G-STEERING」という、今までになかった機能もある。

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 走行性能を見てもG 580が上回るし、水深850mmの渡河能力もある。これはエンジン車のベーシックモデル「G 450d」を150mm上回っている。

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 またモーグル(デコボコ道)などの難しい路面の走行時、G 63では「走行モードを切り替えて、センターデフロックにして」というお作法が必要だが、G 580は走行モードを切り替えるだけ。「お作法が楽しい」と思うか、「いざという時、クルマに任せる」と考えるかは人それぞれ。

モノとしての満足感はG 63のほうが高い

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 運転してみると、どちらも本物だけが持つスゴみがある。より一層の本物感があるのがG 63。特にスポーツ+モードを選択すると、2.5トンの車重からは想像できない過激な加速が楽しめるほか、減速時にアクセルを煽るブリッピングをするなど、スポーツカーらしい演出が楽しめる。

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 G 580はというと、EVゆえに静粛なので、気分が高揚しにくいのも事実。V8サウンドのエミュレーション機能もあるが、本物の音には遠く及ばない。音や振動の重要性を感じるとともに、あと数年で手に入れることが難しくなるかもしれないラストエンジン車として、4L V8エンジンを手に入れたいという心情が傾く。

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 室内の基本的レイアウトは両車共通だが、シートの質感などはG 63に軍配を挙げざるを得ない。

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 2台のエクステリアを見分けるには、フロントグリルだろう。G 580は横ルーバーだが、G 63は縦で、より力強い印象を与える。一方、G 580はグリル部分をすべてフタして、小さなスリーポインテッドスター(メルセデスのエンブレム)をグリルにちりばめたオプションが用意されている。

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 G 63は至るところにカーボン加飾がなされている。これもまた車両にスゴみを与えている。

長距離ドライブはG 63、都心部利用ならG 580

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 Gクラスは高いオフロード走破性が特徴のクルマではあるが、日本でそのような道を走ることはほぼないだろう。となると、メインステージは一般道。バッテリーを床面に搭載することと、G 63はスポーツ系の硬い足回りだろうという予測から、G 580の方が乗り心地が良いと思いきや、実際はG 63の方がフラットライドで驚き。

 バッテリーを搭載するゆえ、G 580はG 63より500kg近く重たいせいかもしれない。これは長距離走行において大きな差が出てくるだろう。

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 また、G 580の一充電走行距離は530km(WLTCモード)と十分すぎる距離が走れるのだが、日本の低出力急速充電と時間課金ゆえ、バッテリー残量が減ったら「走っては充電」を繰り返すことになりそうだ。高速道路の休憩施設には急速充電器があるので困らないが、地方の一般道では充電難民になる可能性がある。

 低速走行または渋滞が多い都内にとって4L V8エンジンは「踏めない」「燃費が悪化する」といったストレスになるだろう。ガソリン代が高騰している現状だと、G 63はかなり経済的負担になりそうだ。

 その点、EVは一般道を走るなら豊かなトルクと静粛性はもちろんのこと、充電設備もディーラーや大型商業施設を利用するなど、比較的容易に探し出すことができる。また、このクルマを所有する人は自宅に駐車場があるだろうから、そこに充電器を設置すれば燃料費に右往左往することはないだろう。

【もし自分が買うなら】AMGよりEVに魅力を感じる

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 自動車は利用者によって求める要素が異なることを前提としつつも、筆者として選ぶとしたらガソリン車よりEVの方に魅力を感じる。それは都心部に住み、インフラの不安がないわけではないが、長距離移動のほとんどが高速道路を利用するから。

 最後に金額について触れよう。Mercedes-AMG G 63 ローンチエディションは3080万円、G 580 with Technology Edition 1は2635万円。その価格差は400万円といったところだ。G 63のとんでもないスペックに3000万円か、G 580の電動オフローダーという未来感に2600万円か、非常に悩ましい。買えないが……。

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