イージーかつ強力なオフロードの走破性能
新型「Gクラス」の試乗会は、オフロード走行を楽しむための専用コースでした。タイヤが浮いてしまうコブ路面や、急な坂道、水のたまった道、瓦礫の道など、多彩なシチュエーションが用意されています。試乗は、BEVの「G580」だけでなく、ディーゼル・エンジンを搭載する「G450d ローンチエディション」(以下「G450d」)も用意されていました。
厳しいオフロードコースではありましたが、2台の「Gクラス」は、それらを難なくクリアしてゆきます。基本性能の高さがわかります。強固なラダーフレームと、よく動くサスペンションの組み合わせにより、凹凸のひどい路面でも、しっかりとタイヤが路面に追従します。普通に走るだけでも、サスペンションがよく動いており、乗り心地の良さを実感できました。
しかし、運転の簡単さでは、ディーゼル・エンジン車よりもBEVの方が1段上だったのです。3L 直6ディーゼルの「G450d」は、最高出力270kW(367馬力)/750Nmと、エンジン車としては十分にパワフルと呼べる性能を秘めています。しかし、BEVである「G580」のパワーは、432kW(587馬力)/1164Nmと、さらに上回ります。しかも、4輪が独立したモーターで制御されていますから、わずかなスリップにも即座に対応が可能。少しでもタイヤが路面にかかっていれば、簡単にクルマを前進させてしまうのです。
エンジン車であれば、アクセルを調整しながら走るようなところでも、BEVは雑な操作でも軽々と難所をクリアできてしまうのです。さらに「G580」の4輪モーターには、ローとハイという2速のギヤが備わっています。ローにするとギヤ比が倍になります。さらに緻密に駆動を制御することができるのです。
また、オフロード走行時用に、一定の低速走行をするオフロードクロール機能(2km/h、8km/h、14km/hから選ぶことが可能)や、車両の前側下の路面を表示するトランスペアレントボンネット機能などの機能もあり、「G580」のオフロード走行の容易さを引き立てています。
4輪モーターを装備したオフロードBEVの可能性
今回の試乗で、驚いたのは4輪にモーターを備えるBEVのポテンシャルの高さです。4輪をバラバラに制御することが可能となることで、オフロードの走破性が驚くほどに高まるのです。
また「G580」は重量が3120kgもある、超重量級モデルです。オフロード走行に重さは不利ですが、「G580」で走っているときにクルマの重さは一切感じませんでした。これはラダーフレームの強靭さと、モーターのパワフルさによるものと言えるでしょう。
4輪モーターとすることで、BEVはエンジン車を上まわる走破性を実現することができます。これを実証したのが「G580」の最大の魅力なのです。
筆者紹介:鈴木ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。

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