◆ロータリーエンジンの音は大きいが
高速走行だと気にならない
走行モードをAUTOにセットして試乗開始。「コンパクトで運転しやすいですね。乗り心地もよいと思います」というのが唯さんのファーストインプレッション。充電量があれば、エンジンが動くことはほぼなく、事実上電気自動車そのもの。「静かで滑らか。街乗りにピッタリのクルマだと思います」というように、電気自動車のよいところを前面に押し出したようなクルマです。
「回生ブレーキの動きも違和感が少ないように思います」というように、大変よくしつけられているクルマで、ガソリンエンジン車から乗り換えても、アクセルワークで不満は少ないかも。
気になる8Cロータリーエンジンですが、バッテリー残量が半分近くある状態なら、ほとんど動くことはない様子。チャージモードを選び強引に動かすと、排気量1.5リットルのエンジンと比べて大きな音が車内に聞こえてきますし、振動も伝わってきます。
「ロータリーだから滑らかな……」というのは、2ローターだから得られる話で、大排気量シングルローターは、いわば400㏄の単気筒バイクに似たようなもの。「街乗りだと、動いているなぁ、というのがわかりますね」と唯さん。ですが、車両が停止している時に突然動いたり、というようなことはないので「不自然さはあまりないですね。普通のガソリンエンジンと変わらないように思います」とのこと。
高速道路に乗ると、ロードノイズなどにより、動いているかどうかは判別しづらくなってきます。合流や追い越しの加速力は必要にして十分ですが、MX-30 EVほどの鋭さがあるかというと、そこまではない様子。ちなみに、スピードリミッターが135km/hでかかる点はMX-30 EVと同じです。
渋滞時に運転支援を使ってみました。その動きはなかなか上々です。ただ、車線監視をしてえるのかどうかが、ちょっとわかりづらい……。アイコンが小さい上に、色も白ですから、ちょっと見づらいのです。
試乗後、唯さんに尋ねてみると「普通にいいクルマでした」と語ります。それはEVだから、ロータリーだから、というエクスキューズが一切なく「普通のクルマとして扱える」ということ。初手から高い完成度のユニットを作り出し、それをマツダでしか作りえないパッケージにまとめ上げたことに拍手です。
遠出がメインの方はマイルドハイブリッド、通勤など毎日の近距離移動に使われる方にBEV、時々遠出をする方にPHEV。MX-30の「わたしらしく生きる」コンセプトは、自分の生活スタイルに合った3つのドライブトレインを用意することで完成したように思います。あとは使い手次第。ロータリーに注目が集まるクルマですが、いやいや本質はそこじゃないんですよ。とはいえ、ロータリーは気になりますよね。特に燃費が……。
最後に燃費をご紹介しましょう。燃費はリッターあたり15km弱を記録。これは走り方によって変わるので参考までにとどめてもらいたいのですが、とはいえ同クラスのハイブリッド車と比べるとあまり良くはありません。
基本的には充電がメインで、航続距離を稼ぎたいときにガソリンを使うという走り方がベストなのかなと思った次第です。
ロータリーエンジンを現代に適した形で復活させたマツダの意地を見たMX-30 Rotary-EV。「わたしらしく生きる」というコンセプトは、マツダらしく生きる、というステートメントでもある気がしました。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第688回
自動車
エンタメはスマホ任せの潔さ! スズキらしい“超実用主義”な「スズキコネクト」レビュー - 第687回
自動車
立体駐車場に入る質感重視のCX-30か、最新ITと広さのCX-5か? 価格がダブるマツダSUVの「罪深き比較検証」 - 第686回
自動車
便利装備は一切なし! 究極の実用性と乗り心地で勝負するルノー「グランカングー」の清々しさ - 第685回
自動車
【打倒アルヴェル】新型エルグランドが王者を超えた!? 自動車税も安くて「走り」が別次元な理由 - 第684回
自動車
往復で充電6回!? ホンダ「N-ONE e:」で東京〜セントレアを走破してわかった、軽EVのリアルなコスパ - 第683回
自動車
家族を乗せてサーキットへ!? 実用性と狂気を併せ持つ「GRカローラ 25式後期」の完成度 - 第682回
自動車
航続320kmでフル装備! BYDの軽EV「RACCO」は日本の軽自動車の“聖域”をどう切り崩すか - 第681回
自動車
Jeep「コマンダー」はガラガラ音も愛おしい。純ディーゼル搭載の7人乗りSUVが教えてくれる心のゆとり - 第680回
自動車
「OK Google」が軽自動車で使える感動。日産「ルークス」が激戦区で選ばれる3つの理由 - 第679回
自動車
330万円から!? マツダ新型CX-5が「今年のSUV最高傑作」と断言できる理由









