ハイブリッドだけど
よくも悪くもディーゼル車らしさがある
直列6気筒といえど、それはディーゼルエンジン。振動は相応に伝わってきますし、音も相応に耳に届きます。「イマドキのガソリン・ハイブリッド車に慣れると、音も振動も大きいですね」という唯さん。ですが、以前試乗したBMWのX5(ディーゼル)に比べると「確かに振動は少ない気がするかも」とも。
モーターらしい動きや音はあまり感じませんし、モーター出力も大きくないことから、どうやらマイルドハイブリッドのような動作をしているのでは? と推測できます。超低速などではガクガクっとしたり、アイドリングストップからの復帰時のショックが大きめだったりしますが、それはディーゼルだから仕方ないのかなとか。ですが、ちょっと前のガソリン車並みの騒音レベルで、言われなければ普通は気づかないでしょう。
室内は静粛性よりも不快さを感じさせない適度な音作りと言った感じ。室内で会話をする分には不足はありませんし、唯さんもゴキゲンでクルマを走らせます。「とにかくパワフル! 速いですよこのクルマ。とても1.9トンのクルマとは思えないです」というように、走りが楽しめる雰囲気。「乗り心地は良い意味で車重を感じますね。剛性感があります」と、ゴキゲンな唯さん。クルマをグングン走らせていきます。
「コーナーでは、結構ロール量が多いですね。どこかNDロードスターの990Sに似ています。あとFRっぽい感じがします。でも4WDなんですよね。ちょっと面白いかも」とのこと。ロール量の多さについてマツダは「車と人間が一緒に動いた方が酔いづらいんですよ」とおっしゃっていて、意図したものなのだとか。一方で990Sがロールしても楽しいと思わせるのは重心が低いからであって、CX-60は重心が高いため勢いよくコーナーに侵入すると、ちょっと怖い思いをします。
「視野のブレが少ないから、長時間運転しても疲れにくいかも」と彼女がいうように、とにかくピッチングの動きは徹底的に排除されているのも美質。とはいえ、フラットライドなクルマなのかというと、そうではなく。コーナーでのロール同様、上下は盛大に動く。さきほどBMW X5の名を出しましたが、乗り心地という面では対極にありそうですね、ということで唯さんと取材陣は意見の一致をみました。
「とにかく500万円というプライスが信じられないですね」という唯さん。「家族で高速道路を使って旅行をするといった時、このクルマはすごくイイと思います。ディーゼルですから燃料代が安いですし、なにより高速道路の燃費が驚くほどイイ。それに後席はとても快適ですし」とニッコリ。家族のクルマにCX-60、実にアリな選択ではないでしょうか。
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