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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第251回

違いはどこ? 軽自動車EV兄弟・日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」を乗り比べ

文●鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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似て非なる2台の違いを検証する

 この春、日産と三菱自動車から2台の軽自動車EVが登場しました。日産「サクラ」と、三菱自動車「eKクロスEV」です。5月20日に発表され、6月16日より販売開始されています。

 ご存知の方も多いように、日産と三菱自動車はアライアンスを組む、いわばグループ企業です。そのため軽自動車は、両社の子会社であるNMKVが開発します。現在、発売中のガソリン・エンジン車である日産「デイズ」や三菱自動車「eKクロス」は、NMKVの手によるもの。そして、新しい「サクラ」と「eKクロスEV」も同じくNMKVの開発。2台の新型モデルはEVですが、プラットフォームは「デイズ」「eKクロス」と同じものを使っています。

日産「サクラ」

三菱「ekクロスEV」

 つまり、日産「サクラ」と三菱自動車「eKクロスEV」の中身は変わりません。ただし、別会社から発売するということで、価格や装備は別。ちなみに、公正な販売のため、発売前まで日産と三菱自動車は、互いの価格などを知らされずに開発が進行したといいます。

特殊な作りのため派生モデルは期待薄

 では、内容的に同じ部分となるのは、何でしょうか。

 まず、パッケージングやパワートレインなどのクルマの基本となる部分は、2台とも同じです。背の高いワゴン・タイプの4ドア・ボディーに、最高出力47kW(63馬力)・最大トルク195Nmのモーターを前輪に配置。駆動用に20kWhのリチウムイオン電池を床下に搭載します。エンジン車と同じプラットフォームに電池を載せましたが、室内空間を減らてはいません。EV化による使い勝手の低下がないのは、大きなメリットです。1回の充電での最高航続距離は180km(WLTCモード)となります。

三菱「ekクロスEV」

 ただし、室内空間を削らずに搭載できる電池の量は、現在の20kWhがマックスだとか。つまり、後輪にモーターを積んだ4WDや、電池容量を増やした高性能版は難しいそうです。さらに両側スライドドアのハイトワゴンも、「重すぎて難しい」とか。派生モデルの登場は期待できそうにありませんね。

 なお、リチウム電池は、日産「リーフ」と同じものが採用されました。これは朗報です。この「リーフ」に使われた電池は、レトルトカレーのようなパウチ型をしています。過去に世界市場で50万台以上も「リーフ」を発売しながら、電池火災を一件も起こしていないという、素晴らしい安全性能を誇ります。リチウムイオン電池は燃え出すと、ちょっとやそっとでは消えませんから、「過去、一度も燃えてない」という実績は、なによりも大きな価値と言えます。

床下に配置されるバッテリー

2台は走りも同等に良かった

 基本部分が同じというだけでなく、2台は「走り味」という点でも同じでした。別々の日程で開催された日産と三菱自動車の試乗会に参加してみましたが、走った印象は変わりませんでした。結論から先に言えば、「走りはとても良かった」のです。

日産「サクラ」

三菱「ekクロスEV」

 まず良かったのは、パワフルだったこと。モーターのトルクが、エンジン車の2倍ほどもありますから、端的に速く走ることができます。そこで感心したのは、パワーの出し方です。非常にスムーズで上品。力任せに車体が暴れるような、乱暴さがありません。アクセルひとつの操作で、街中の加減速をほぼカバーできる「eペダル」も、ギクシャクしないように巧みに調整されていました。ただし、操作に対して微妙にタイムラグがあったり、最後の最後にクルマを停止できないなどの特徴があります。最初はとまどう人もいるはず。慣れが必要でしょう。

 次に良いのは静かなこと。エンジンがないのだから静かなのは当然ですが、タイヤなどのロードノイズも上手に隠してあります。

日産「サクラ」

三菱「ekクロスEV」

 そして、最後に良かったのはハンドリングです。車体の背は高いのですが、重い電池が床下にあるので重心が低く、安定感があります。キビキビというよりも、素直で穏やかな動きを見せて、安心感や信頼感を得られます。ファミリーカーとして正しい特性だと思いました。

 「走り」という面だけ言えば、確実にエンジン車を上回ります。日産は「サクラ」を“軽自動車のフラッグシップ”として売り出したいと言います。それも納得できる実力が「サクラ」と「eKクロスEV」には備わっていると思います。

日産「サクラ」

三菱「ekクロスEV」

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