エンジンやマフラーはノーマル
エンジンルームを見たところ、まったくもってノーマルと同じ。ただ、バッテリーのみが軽量化のためか、小型の物へと変更されていました。ちなみにボンネットも純正のまま。カーボン製ではないばかりか、レース車両でよく見かけるボンネットピンも取り付けられていません。またタワーバーなどの補強も入っていません。これだけ見ると、至ってノーマルそのものです。マフラーもノーマルのまま、です。
駆動系で市販車と異なるのはミッション。キャロッセ(CUSCO)が供給するCVT用試作LSDが装着されています。これは通常のCVTに最新オイルスルー型LSDを内蔵したもの。LSDということは、コーナーを踏んで曲がれるようになる、というわけです。LSDを搭載すると街乗りでLSD特有の音がするのでは? と思いきや、そのような音は一切しませんでした。
サスペンションはクスコの車高調を使用。基本的にターマック(舗装路)走行をメインとしたセットアップとなっているそうです。ブレーキローターやキャリパーはノーマルのようですが、スポーツパッドへと交換済み。冷えている状態ではキキッという音が鳴ります。ホイールはWORK、タイヤはダンロップのディレッツァという組み合わせ。
室内は2シーターで競技車両そのもの!
室内はいかにも競技車両といった様相。フロアカーペットは取り外され、さらにリアシートも取り外されています。後席を取り外したことにより、2シーターへの改造申請も行なわれているとのこと。ぬかりはありません。ロールバーはワンオフ品で溶接はされていないとのこと。「本当は溶接ロールケージが好みなんですけれどねぇ……」とチーム代表はちょっと悔しそう。バケットシートはBRIDE製で車検対応品。6点シートベルトがついていますが、公道を走るので、通常の3点シートベルトも取り付けられています。
GRヤリスRSに標準搭載されているディスプレイオーディオは付けたまま。というのも、この部分の取り外し等はレギュレーションで認められていないから。ですのでスマートフォンをつなげれば、ナビ表示ができます。一方、ダッシュボードは防眩塗装され、フロントガラスへの反射(映り込み)が抑えられる工夫が。いかにクリアな視界を確保するかが、ドライバーへの安心感につながりますからね。
梅本まどかさんが座る助手席のドアには、RAM MOUNTのスマートフォンホルダーが。これはラリーコンピューターの代わりにスマートフォンを使っているためです。梅本さんによると、アプリの使い勝手や固定位置は良いそうなのですが、本来あるべきRAM MOUNTのスマホ固定用ゴムをメカニックが装着しなかったため、走行中にスマホが脱落しそうになったとか。
スェード巻きのハンドルはGT2i製で、まるで F1マシンのようにボタンを多数装着。最大の特徴はステアリング上部にシフトダウンボタンが設けられたこと。右手側も左手側もシフトダウンで、シフトアップボタンはありません。GRヤリスRSは10段階の疑似段シフトが組まれており、もともとは走行中ギア比をどんどん高くして燃費を稼ぐためですが、ラリー競技中は回転数の上の方を常に使いたいからとのこと。ですが、これをマニュアル操作にすると操作が煩雑になりますから、シフトアップはコンピューターに任せ、ドライバーはシフトダウンに専念するというわけです。今後はパドル方式へと変更する予定だとか。
運転席、助手席ともに、足元にはカーボントレイが設けられていました。床面には表面が粗い紙やすりのようなテープが貼られており、滑り止めの役割をはたしている模様。個人的にはフロアーマットよりこちらの方が掃除しやすく、なにより踵が滑りにくいのはイイナと感じました。このトレイも市販品で一般入手可能とのこと。
運転席と助手席の間には、インカム用のボリュームコントロールを配置。ここにヘルメットの内蔵マイクとスピーカーをつなげる、というわけです。
ロールケージの上側、運転席と助手席の間にはRAM MOUNTのGoPro用マウンターがセットされていました。これで車載映像を撮っているのですね。
取り外された後席の代わりに、スペアタイヤとヘルメット用のネットが置かれていました。GRヤリスRSの後席は狭く、また2枚ドアのクルマですので、こっちの方が実用的 かもと感じたのは筆者だけではないかも? 競技車両らしいのは、タイヤ交換用のインパクトレンチを車両に設置していたこと。しかも専用のボックスに収納している点も見逃せません。
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