名車を振り返るシリーズ
マツダ「RX-8 SPIRIT R」を試乗!
2020年1月30日に創立100周年を迎えたマツダ。その歴史は、ロータリーエンジンの歴史であるのは、誰もが知るところだ。
その昔、レースでハコスカ(GT-R)の50連勝を止めたのも、1991年のル・マン24時間レースで日本メーカー初の総合優勝をはたしたのも、マツダのロータリーエンジンだった。そのロータリーエンジンの火が消えて約8年。マツダが保有する最後のロータリーエンジン搭載車「RX-8」の、フィナーレを飾ったSPIRIT Rに触れた。すでに生産が終わったモデルを広報車として残しているのは珍しい。
マツダの意地を感じさせるロータリースポーツ
1991年から生産されていたRX-7(FD3S)だが、年々厳しくなる排気ガス規制への対応などから、後継車種の検討が進められていた。しかし、当時マツダはフォード傘下であり、経営改善が求められていた時期。フォード側が経営改善に寄与しないモデルの開発、つまりロータリースポーツの開発は許されなかった。だがマツダはロータリーの火を消してはならぬと、粘り強く交渉。結果、4ドアならロータリーエンジン搭載車を開発してもよいという譲歩案を引き出し、2003年4月、RX-7と入れ替わる形で「RX-8」は誕生した。
スポーツカーらしいクーペスタイルに見えるように作られた観音開きの4ドアは、スポーツカーを作りたいというエンジニアたちの意地を感じさせる。改めて現車を見て感動するのは4枚ドアという一種の縛りに対して、こじつけではなくパッケージングの上手さとして昇華していたこと。大人4人つまり後席に2人が乗れる室内空間と、十分な容量の確保されたラゲッジスペースといった実用性の高さは、普通のファミリーセダンのようだ。
確かに後席に座ったら最後、前席に座った人のサポートがない限り降車はほぼ不可能なのだが、乗降性は思いのほか悪くない。なにより一度座れば、イマドキの輸入Bセグメントたちとは比べるまでもないほどの足元の広さ。驚きは2重仕様のドアパッキンで、正直「ここまでやるか?」と思える密閉度。ゆえに後席は意外と静かであり快適だ。4座スポーツカーの後席といえば「まともに座ることはほぼ不可能」な場合が多いのに対し、スポーツカーでありながらファミリーカーとしての要素をしっかりと考えたRX-8は、他社を含めて現行車を見回してもライバルになりうるクルマはないと思える。唯我独尊とはまさにこのことだ。
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