今春、販売5周年を迎えたホンダの軽スポーツカー「S660」。ちょっとお高い小さなオープンカーは、乗り手はもちろんのこと、近未来的なフォルムと相まって、多くの人に笑顔を与えてきました。そのS660が今年1月、突如マイナーチェンジを発表! 5年目での進化は、オーナーはもちろん、そうでない方にとっても気になるのでは? そこでオーナー目線の筆者と、免許を取得したばかりの運転初心者である美環さんの両視点から、新しくなったS660の魅力に触れてみたいと思います。
「デザインの深化」を超える進化の
マイナーチェンジモデル
S660のマイナーチェンジですが、実は今回が初めてではありません。仕様変更という形にはなりますが、2018年5月に1度実施しています。この時は、ボディーカラーの設定変更がメインだったのですが、注目を集めたのはメーカーコンプリートカーの「Modulo X」の登場。まったく新しいエアロパーツが奢られたほか、軽自動車としては初となる減衰量調整可能なサスペンションも搭載。ファクトリーチューンの意地を見せつけました。
カラーリング変更とModulo Xグレード追加と思われたこのマイナーチェンジですが、実はフロントガラスも変更されています。窓枠の黒い部分が減り、FM/AMアンテナが見えるようになってしまいましたが、前方視界がやや拡大。死角が少し減りました。
そして5年目を迎える前に、モデルチェンジを発表。シャシーそのものには手を加えていませんが、ボディカラーと外装パーツを変更してきました。
まずフロントピラーが塗装され、従来のツートーンイメージから一変。そういえば最近のクルマはツートーンカラーが多いですが、フロントウィンドウ部分はボディーカラーというのが多いように思います。
そしてフロントバンパーの従来のエアインテーク風の樹脂製メッシュパーツだった部分にアクセサリーライトを追加。これはS660の上位グレードであるαのみに適応されます。
フロントマスク中央部の半透明樹脂部分をピアノブラック調とし、さらにデザインを変更。ヘッドライトの中の色も変更されシャープな印象となりました。
側面を見ると、サイドウインカーを排し、その代わりにサイドミラーにウインカーを内装化。2013年の東京モーターショーで参考出品された時のコンセプトモデルに似たデザインとなり、すっきりした印象に。初めて見た時は「最初からこうしてよ」と心底思いましたし、正直このミラーだけでも欲しいです!
ホイールは5本スポークはそのままに、ヨーロッパ車で見かけるようなデザインに変更されました。なお、履くタイヤは横浜ゴムのハイグリップラジアル「ADVAN NEOVA AD08R」に変わりありません。
リアに回ると、コンビネーションランプやインナーレンズの色を変更。併せてトップマウントのブレーキランプの色も変更。シャープなS660により精悍な印象を与えます。
室内に目を向けると、シートヒーターボタンが増設されています。シーソースイッチで切り替える2段階の可変式で、効きも十分。車種に関わらずコールドスタート直後の暖房はなかなか温まらないもの。さらにハンドルヒーターもあれば完璧ですが、残念ながら用意されませんでした。また、αグレードのみハンドルの握り部分とシフトノブにスポーツカーではおなじみのスウェード素材アルカンターラを採用。レーシンググローブをして握ると、えも言えぬ感触が楽しめます。
細かいところだと、2020年4月からのロービームの自動点灯=オートライト機能義務化に対応。ライトは常にオート状態で固定されていました。ちなみに走行中のオフはできませんので、夜間の道路で慣例的に行なわれている「道を譲る合図」としてのライト消灯はできません(ハイビームで合図を送る方もいらっしゃいますね)。なお、停止時はライトオフができます。話はそれますが、ホンダ車のいいと思うところの1つは、全車種を通じてハザートボタンがセンターコンソールの押しやすい場所にあること。ですので、車種を変えても道を譲ってくれた後続車への「ありがとうハザート」がしやすいのです。こうした「ちょっとしたお礼」は後続車からしたらうれしいものですし、運転する方も気持ちに余裕が出るように思います(私だけかしら?)。
変更点は外装のみという話で、撮影のためクルマを動かしてみると、従来のS660とステアリングのフィールが違うではありませんか。重たく、そしてしっかりとしたフィーリングは大変好ましいもの。自分のS660が古くなり、もともとがこのフィーリングだったのかなと考えたのですが、思い起こせばS660 Modulo Xに試乗した時も、ここまでは重たくないフィールでした。
さらに驚くのは「サスのフィールが上質になっている」こと。段差を超えた時の硬さに角が取れた、という印象で、しっかりとした安定感と機敏さが見事に両立。この違いが個体差なのか、それとも予告なき仕様変更なのかわかりませんが、とにかく違いを感じました。また、夜間走行時にウインカーを出した際、自車ウインカーの光の反射が大幅に減ったのも美質。黄色い光が結構右目に入っていたので、これはデザイン面だけでなく機能面でも好ましいです。
ホント、このドアミラーとサイドパネル交換ができるならしたい! マイナーチェンジ版に乗りながら、ちょっとした嫉妬を感じたS660オーナーの私でした。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第684回
自動車
往復で充電6回!? ホンダ「N-ONE e:」で東京〜セントレアを走破してわかった、軽EVのリアルなコスパ - 第683回
自動車
家族を乗せてサーキットへ!? 実用性と狂気を併せ持つ「GRカローラ 25式後期」の完成度 - 第682回
自動車
航続320kmでフル装備! BYDの軽EV「RACCO」は日本の軽自動車の“聖域”をどう切り崩すか - 第681回
自動車
Jeep「コマンダー」はガラガラ音も愛おしい。純ディーゼル搭載の7人乗りSUVが教えてくれる心のゆとり - 第680回
自動車
「OK Google」が軽自動車で使える感動。日産「ルークス」が激戦区で選ばれる3つの理由 - 第679回
自動車
330万円から!? マツダ新型CX-5が「今年のSUV最高傑作」と断言できる理由 - 第678回
自動車
EVである前に軽自動車。スズキ「eSKY」が示す、日本の日常に寄り添う最適解 - 第677回
自動車
「ついに911、お前もか…」伝統の変化を嘆く前に乗るべき、約2000万円の超ピュアな「カレラT」 - 第676回
自動車
メーカーチューンの理想形! 2L化した特別ロードスター「12R」が魅せる至高の人馬一体 - 第675回
自動車
街乗りは不便でも悪路走破性は最強! ファミリーカー目線で斬る「ジムニー ノマド」のリアルな実力
















