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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第24回

フォルクスワーゲン「Tクロス」はSUVらしからぬ軽快な走り!

2020年01月01日 12時00分更新

文● 会田 肇

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充実した運転支援システム

 安全装備を主体とした運転支援システムも充実している。歩行者検知機能付きの衝突回避・支援システムや後方死角検知機能、駐車支援システムは全車に標準装備。レーンキープアシストやハイビームアシストは上級グレードの「TSI 1st Plus」のみの装備となるが、安全性については全車とも十分な内容だ。何より、国産車の多くがオプション装備としているカーナビゲーション(Discover Pro)が全車標準装備としているメリットは大きい。

全車速追従型ACCを全車に標準装備。停止してからは一旦ホールドした後、アラームと共に解除されるので注意

前後に装備されるパークディスタンスコントロールは、前進/後進時衝突軽減ブレーキ機能も備わる

 この「Discover Pro」はポロのと同タイプ。手持ちのスマートフォンと連携することで、「オンライン施設検索」と発するとクラウド上から行きたい場所を探し出せる。さらに独自のCar-netへアクセスすることでドライブに必要な最新情報を取得することもできるのだ。ただ、オフラインで目的地を探そうとすると思う通りに探し出せないのは今までと同じ。

 一応、CarPlayやAndroid Autoにも対応しているが、ルート誘導の実力はDiscover Proを使った方がはるかに上。交通情報はVICS-WIDEに対応したことで精度は一段と高められているし、道路の高低差を認識できることも都会での走行では欠かせないスペックだ。その意味でDiscover Proはオンラインで使って初めて実力が発揮できるシステムと認識した。

全車に標準装備のSDカーナビ「Discover Pro」。スマホと連携させることが使いこなしのコツ

 それとDiscover Proの使い勝手にも言及したい。個人的には回転式ダイヤルを備えるTクロスのタイプの方が、上級クラスで採用するフルタッチパネルのものよりも扱いやすいと思っている。音量をアップダウン一つにしても回転ダイヤル式の方が操作しやすいからだ。最近はほとんどがステアリングでコントロールできるから関係ないとの声もありそうだが、手探り操作が強いられる車載機でタッチパネルにこだわり過ぎるのは見直されるべきだと思う。

スマートフォン用ワイヤレスチャージシステム(「Qi」対応)を全車に標準装備している

今や欠かせないUSB端子もしっかり搭載

エンジンは非力ではなく必要十分

 搭載されるエンジンはポロと同じ直列3気筒1.0Lターボだ。日本車的な発想で見ると軽自動車に多い仕様だが、グローバルで見ればコンパクト車はこのタイプのエンジンが主流。むしろ、1気筒あたりの容積が多くなったことでトルクは出やすくなるというメリットも生まれる。加えて200Nmの最大トルクをわずか2000rpmで発生することで、1270kgの車体をストレスなく走らせることができるのだ。

わずか2000rpmで200Nmの最大トルクを発揮する直列3気筒1.0Lエンジンを搭載

 走り出してみると、スタート時こそ特に鋭さは感じないが、全体のトルクがフラットでどこからでもすぐに加速が始まる扱いやすさがある。しかもちょっと踏み込めば、7速DSGによるダイレクトなレスポンスで力強く走り抜くことができ、走行モードを「SPORT」に切り替えればアクセルはさらに俊敏さを増す。試乗会場となった山中湖付近のワインディングロードも軽々とこなしてくれたのだ。

 しっかりと地に着いた足周りも頼りになる印象。ワインディングを走っても挙動は自然で接地感も失わないからトレース性はかなり高い。サスペンションのストロークも十分あり、路面の細かな凹凸も十分にいなしていた。Tクロスはもはや乗り心地で1Lクラスとは思えない上質な乗り味を実現していたと言っていいだろう。

「TSI 1st Plus Design Package」では、フラッシュレッドを選ぶとボディーに合わせたカラーリングがホイールにも施される

 Tクロスは、コンパクトSUVにもかかわらず十分な存在感があり、運転すれば気持ち良く操れる。しかもSUVとしてユーティリティを一段と高め、上級クラスに匹敵する安全装備を標準で備えている。コンパクトSUVが気になっているなら、このフォルクスワーゲンSUVの末っ子にぜひ注目して欲しい。

お鮮やかなオレンジは「フラッシュレッド」。内装も特別なカラーリングが組み合わされる

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