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“音声のGoPro”を目指すBONX アウトドアスポーツで世界に新しい通話体験を

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「ないものは、作れ」GoProのエピソードをきっかけに創業へ

 BONX発想のきっかけにあったのはGoProだ。

 自身もサーファーであるGoPro創業者ニック・ウッドマンCEOが「自分のサーフィン姿を良い形で撮影したい」という不満からウェアラブルカメラGoProが生まれたように、BONXもチケイの宮坂貴大代表取締役CEOの実際の経験に端を発した製品となっている。

 スノーボードが好きだった宮坂代表は、GoProの創業ストーリーから、「滑りながら普通に話せたらすごくいい」と発想。思うようなプロダクトがなかったため、すぐに起業を決意した。

練習してた技が決まったときとか、いい雪当てたときは、「きたー!」ってすぐに仲間に言いたいじゃないですか。
でも、わざわざ手袋脱いでケータイでというわけにもいかないし、あとから伝えるのもあんまり意味がなくて、自分の感情が高まってるその瞬間に「これやばいね!」「すごいね!」っていうやりとりがしたいんですよね。
ただ意外とそういうプロダクトって世の中にないので、どうしたものかなと…。だから、僕はBONXをつくりました。無いものは、作れ。という精神ですね。(BONXのクラウドファンディングサイトより)

チケイの宮坂貴大代表取締役CEO。

 宮坂代表の前職は外資系戦略コンサルティングのボストンコンサルティンググループ。ハードウェアスタートアップとは縁もゆかりもなかったが、BONXのコンセプトを思いついたあとは、1週間後には家族へ、2週間後には会社へ起業する意思を伝えた。

 3年ほど在籍していた会社での進行中プロジェクトをやり遂げ、2014年8月に退社後、11月にはチケイを設立した。平行してリサーチもすぐに開始。

 もともと文系だった宮坂代表は、自分が求めるプロダクトに必要な機能がどのようにすれば実現できるのか、まずはハッカソンやメイカーズ系のイベントに参加して聞いて回った。現場でアイデアを直接ぶつけ、返ってきた反応をもとに形成したネットワークが、BONX開発のベースになったという。「正しい人たちが集まる場には、正しいものができると思っている。青木さんなり西野さんなりに出会って、そこから広がったのは大きかった」

 開発関係者に名を連ねるユカイ工学の青木俊介代表は、コミュニケーションロボットのBOCCOほか、数々の受託も含め、これまで多くのハードウェアを手がけている。同じくFORMULAの西野充浩代表は、BOCCOやスマートロックAkerunの開発支援・量産化を手がけたハードウェアOEM生産の専門家だ。

 結果BONXの開発チームは、各分野のエキスパートを集結させた、宮坂代表いわく「フリーランス祭りという形」となった。サーバーエンジニア1名のみがチケイの正社員でほかはすべてフリーランスという形態だ。

 エンジニアでは、電動車いす・WHILLやウェアラブルトイ・Moffといった日本発ハードウェアスタートアップのiOSアプリ開発に携わった堤修一氏や、元カヤックのエンジニアユニット・Make It Realが参加、デザイナーではグッドデザイン賞など多数の受賞歴を持つ元エレコムの百崎彰紘氏などが名を連ねている。

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