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“音声のGoPro”を目指すBONX アウトドアスポーツで世界に新しい通話体験を

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発表してからの反響は想定以上だった

 10月から2カ月足らずでの反響について、「買ってくれるだろうと思ったのは、スノーボードや自転車などのスポーツで同じ不満を持っている人。ただ、いろんな使い方ができるので、それを見つけてもらえればいいとあくまでシンプルにメッセージは伝えた」と宮坂代表。

 BONXには、キャンプや釣りなどのアウトドア、ロードバイク、珍しいところでビジネスカンファレンスなど、想定以上の声が寄せられており、注文は2つ買いが基本で、5つ購入なども多いようだ。さらにはサバイバルゲームなど、リアルな場でネットゲームでのチャットシステムのような使い方ができるのでは、といった提案もあったという。

 肝心の製品の入手だが、クラウドファンディングでの予約(追加支援)締め切りは12月1日23時59分まで。もちろん、その後の量産も見越しており、リアル・ウェブでも流通予定となっている。

 この先は、「音声でのコミュニケーション技術をより追い求めた形での製品を予定している。いつでも仲間と話せる技術をより追い求めていく」と宮坂代表。BONXのアップデートも含め、すでに複数の新たなプロダクトの開発も進めているという。

 またチケイは、近い将来には米国法人を持つ予定だ。マーケティングを目的としたKickstarterも実施するという。「ビジネスはアメリカ、ものづくりは日本。アメリカ展開のビジネスパートナーがいて、強いネットワークをもっているのでそこから展開したい」

 当然競合の登場も見込まれるが、「ハードウェアだけでないぶん、アプリでのモノづくりの力が強い。技術的な面ではソフトウェア的なロックインがある。同じモデルで出てくるのはあるかもしれないが、先行している強みがある」と語った。

BONXは新たなGoProとなるのか

実際に試作品をつけさせてもらったが、耳なじみは問題なし。屋内の使用だったため、最初は遅延がわかったが、離れた距離でのコミュニケーションでは不都合を感じない印象。実際に会話を止めると静音になり、話し始めたらきちんと対話ができた。レスポンスも快適。これを野外で動きながら、というところが楽しそうだ。

 BONXの楽しみなポイントは、これまで不可能だったコミュニケーションでの一面が解消されて、既存のスポーツや遊びの仕組みが塗り変わる可能性があるという点だろう。ユーザーの「こうなってればいいのに」、という部分をスマートに解決・実現しているのが気持ちいい。

 実際に話を聞いて、プロダクト結実に向けた最短距離の実現方法をとてもうまくコントロールしていると感じた。量産体制も含めて、まだまだ気は抜けないだろうが、この先の世界的な展開も含めて、次の一手が楽しみなスタートアップ。

 ”アクション”カムという名称とともに、ニッチジャンルだったウェアラブルカメラの市場がGoProで一変したように、BONXによって従来のコミュニケーションが存在しなかったチームワークで楽しむ競技や遊びに新しい幅が広がることに期待したい。

 2004年に創業したスタートアップGoProは、2014年の上場時、株価総額は一時48億ドル(4900億円)までのぼった。最後に、宮坂代表はこのとてつもないイノベーターについてどう見ているのかについて。

 「GoProを超える存在にならないといけない。あちらはチームに1台でもいいが、BONXは1人につき1個必要。GoProより売れるはず(笑)」(宮坂代表)

●CHIKEI(チケイ)株式会社
2014年11月設立。駒沢公園近くに拠を構えている。すでに手狭なため近くに移転も検討中。米国拠点も近日立ち上げ予定。
現在の資本面はアクセラレーター支援、シードラウンドでの投資、さらにはクラウドファンディングも含めてまかなっている。グローバルな調達も予定。
社員数は2015年11月時点で7名。米国法人も含めて、拡大予定。

■関連サイト
BONX(GREEN FUNDING)
BONX公式ウェブサイト

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