鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第34回
ほとんどCELL REGZA!? Z系シリーズが大幅ラインナップ強化
3Dとゲームが凄すぎる!! REGZA「ZG2」&「ZP2」
2011年04月20日 17時37分更新
CELL REGZAから強化されている点もある。それは「速さ」だ。CELL REGZAを手に入れたユーザーの声を聞くと、タイムシフトマシンそのものは大好評だが、録画した番組を管理する「過去番組表」の動作がもっさりとしていて、使い勝手が悪いという声が多かった。
その点ZG2シリーズは、約0.3秒の高速起動を実現するなど、番組表のレスポンスを大幅に向上している。当然のように過去番組表でも同様の高速レスポンスを実現している。これは実にありがたいポイントと言えるだろう。このあたりは、すべてをソフトウェア処理ではなく、ハードウェア処理も組み合わせているレグザエンジン CEVOの長所が現われている部分と言えるだろう。
クロストークをさらに低減
2D→3D変換もさらに高機能に
続いて、3D映像の進化について紹介しよう。従来の3Dモデル「ZG1」の3D表示は、「IPS」パネルで3Dを実現したこともあり、他社の液晶テレビと比べてややクロストークが多い点が指摘されていた。しかし、ZG2では新たに「3Dクロストークキャンセラー」を採用し、従来モデルに比べてクロストークの少ない3D映像となっている。
これは、3D表示時での入力信号の変化に対し、パネルの応答が遅れることで右目用の映像が左目用の映像に混ざってしまうのを防ぐもの。パネルの応答の遅れに合わせて液晶分子の動きを最適にコントロールして、最適な応答が行なわれるようにしているのだ。
試作機でその3D映像を見たところ、クロストークはかなり低減されており、映像がブレて見えてしまう頻度もかなり減っていた。他社の3Dテレビと比べてもほとんど遜色のない印象だ。クロストークが減って見やすくなったことで、ZG2シリーズの画質の良さがしっかりとわかるようになり、映像の精細感の高さや自然な奥行き感など映像の持つ臨場感がより豊かに感じられる映像になった。
これに加え、BS放送などで行なわれている「サイド・バイ・サイド」方式の3D映像では、ヨコ方向が半分に減ってしまった解像度を復元する「3D超解像」を継続採用。東芝によれば、3D映像の立体感を大きく影響する「融像」は、元の映像の解像度の高さが重要になるとのことで、高精細な映像を再現することで3Dの立体感をさらに高めることができるとしている。
そして、2D→3D変換では、従来備えていた構図を識別して映像の奥行き感を復元する「ベースライン3D」に加え、映像の色情報を分析することで物体の前後を判別し、手前にある人や物といった被写体の立体感を再現する「カラーディテール3D」も採用した。これらはもともとCELL REGZAの2D→3D変換で採用された技術で、高精度な技術も着々とZG2シリーズに継承されていることがわかる。
別売となる3Dメガネも新型が登場した。他社の今春モデルと同様、USB接続による充電式となり、電池交換のわずらわしさがなくなった。しかも、新デザインの採用に合わせて軽量化をさらに推し進め、従来の約61gからなんと約35gという軽量化を実現している。バッテリーの寿命は2時間の充電で約23時間の使用が可能だ。
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