大画面の3Dテレビはどうも今ひとつパッとしない状況だ。思うに、家族みんなで楽しみたい映画のようなコンテンツの場合、いくつもの3Dメガネが必要で、主流であるアクティブシャッター方式の3Dメガネは1万円前後と容易に買い足せるものでもなく、手軽に楽しみにくいことが問題のような気がする。
ところが、ゲームでは少々状況が異なるのではないかと、ゲーム好きの筆者は考えている。3D対応のゲームソフトも着実に増えているし、一人でプレイするゲームならば、3Dメガネをたくさん揃える必要もない。20V型クラスのパーソナルサイズならばなおさらだ。いや、3Dでゲームをやると本当に面白いんですよ!
というわけで、潜在的に需要が高そうな20V型クラスの3D対応モニターに、またひとつ注目のモデルが登場した。それが今回紹介する「3Dディスプレー CECH-ZED1J」(実売価格4万円前後)。型番を見ればお分かりのように、プレイステーション 3用の周辺機器として登場した3Dディスプレーだ。
24V型のサイズは個人用としては丁度いいサイズで、机の上でもベッドサイドでも好きな場所に配置できる。3D対応というだけでなく、「プレイステーション・ポータブル」用のズーム機能を備えるなど、ゲーム用ディスプレーに望まれる機能もきちんと搭載している。4万円前後という比較的買いやすい価格もあり、気になっている人は多いだろう。
ドライバーレスで組み立てできる
梱包を開けるとまずは組み立て作業が必要になるのだが、ここで非常に感心した。組み立てにドライバーが必要ないのだ。必要なネジは1本だけで、しかも手で締められるような金具がついているため、組み立ては非常に簡単だ。
とはいえ、ディスプレー本体とスタンドの接合部分はバネ式のツメでしっかりとロックされるし、ネジ止め部分も4本の金具で固定するため、強度に不安はない。24V型という小サイズだから実現できたとも思えるが、一般的な薄型テレビでも見習ってほしいと思う。
外観はサイドにゆるいカーブを用いたデザインで、なかなかカッコイイ。PS3のラウンドフォルムと揃ったデザインとも言えるし、PSPっぽいとも思う。画面周囲のフレーム部分は極めて細く、しかも前面はガラスで一体化されたフレーム部分の段差のない一枚板デザインだ。スピーカーが両サイドに配置されているのも、音の定位が画面と一致するので、個人的には好印象。
上下のチルト調整機能も備わっており、使い勝手の点でも不満はない。唯一気になったのは、背面にある操作ボタンが使いにくいこと。ボリュームの「+」ボタンに突起があり、手探りでも使えるように配慮されてはいるが、十字キーのついたリモコンが欲しいところ。
なお、PS3用のBDリモートコントローラ(CECH-ZRC1J 実売価格3000円前後)で本機のリモコン操作も可能。この点はまさにPS3用周辺機器らしい合理的な考え方だ。ただし、筆者所有の旧型BDリモートコントローラでは操作ができなかったのは残念。
基本的に入力された映像を表示するだけのモニターディスプレーなので、それほど多彩な機能を備えるわけではない。ただし、画質モードはスタンダード/シネマ/ダイナミック/カスタムといったモードが用意されている。それぞれのモードで画質調整が行なえるので、ゲーム用や映画用、BDレコを組み合わせてテレビ用と使い分けることができる。
音質調整はシンプルで、低音/高音の調整とバランス調整のみ。音質については後述するが、左右のスピーカーに加え背面にはウーファーも備えており、機能でごまかすよりも本質的な音質に力を入れたと感じる。当然、その方が音は良い。
このほかは、1秒以下で画面表示ができる高速起動や、映像信号が5秒間以上途絶えると自動で電源をオフにする省電力モードなどが用意されている。HDMIリンク機能に対応しており、PS3などとHDMIケーブルで接続すると連携して電源のオン/オフができる。

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