今回は、ソニーのBDレコの最上位モデル「BDZ-AX2700T」を取り上げる。このモデルは個人的にほとんど一目惚れと言っていいほど気になったもの。説明を聞けば聞くほど、もっと知りたいことが増えてしまい、編集部を説得してソニーへのインタビューを実現したのだ。
そのため、今回はいつものようなレビューに加え、随時お話を伺ったソニーの開発陣の方々による解説を差し挟んでいきたい。
まず、BDZ-AX2700Tの概要を紹介しよう。地上/BS/110度CSチューナーを3基搭載し、HDD容量は2TB。さらにUSB HDDの増設にも対応する。
これに加えてPCやスマホ連携機能を搭載。同社のWebサービス「Gガイド・テレビ王国CHAN-TORU」による外出先からのリモート予約をはじめ、「Koe-Kara」を使って音声入力による番組検索が可能。録画済みタイトルの検索にも対応する。
チューナー数やHDD容量はモデルによって違いはあるものの、これらの新機能は基本的に下位モデルでも共通。自動録画機能や番組検索機能なども同様だ。下位モデルと比べてまったくと言っていいほど違うのが画質・音質のために搭載される技術や機能ということになる。
画・音質のために専用基板を開発
まずはBDZ-AX2700Tの画質を担当した濱田敏道さん(ソニー株式会社 ホームエンターテイメント事業部 ホームエンターテイメント開発部門)に、新採用となる「インテリジェントエンコーダー3」について解説してもらった。
インテリジェントエンコーダー3は、メイン基板に搭載される長時間録画用のエンコーダーで、これ自体は下位モデルでも同様のものが採用されている。しかも、メイン基板を見ると驚くのだが、同じLSIが3つも搭載されている。
このため、ソニーのトリプルチューナーモデルでは、3番組同時の長時間録画を3つともリアルタイムエンコードできる。自動とはいえ、後から変換を行なうことはないし、録画中の追いかけ再生中でもオートチャプターによるシーンのスキップを利用できるなど、利便性に優れるのだ。
濱田:「インテリジェントエンコーダー3の進化は、エンコードアルゴリズムの強化です。映像の変化に合わせてビットレートを最適に配分する新ダイナミックVBRは、ビットレートの配分をよりダイナミックに制御できるようにし、難しいシーンで情報量が不足して映像が荒れてしまうことを減らします。今年は、ジャンル別エンコーディングに加え、シーン解析による最適化も行なうことで画質を向上しています」

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