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新エンジンで死角なし! 新REGZA Z2はここがすごい

2011年03月02日 23時37分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 既報のとおり、東芝は液晶テレビ「REGZA」(レグザ)シリーズの上位モデルとなる「REGZA Z2」(以下Z2)シリーズ3機種を発表した。

 ここでは同日開催された新商品説明会で明かされた、Z2シリーズの特徴について見ていきたい。

Z2000以来の新プロセッサー「CEVO」で
画質も機能も向上

Z2のマザーボード部。銀色のプレートに覆われているのが「レグザエンジンCEVO」

 Z2シリーズでは画質強化からユーザーインターフェースの改良、ネットワーク機能など、さまざまな特徴を備えている。それらの改良を実現しているのが、新たに採用されたプロセッサー「レグザエンジンCEVO」(CEVO、シーボ)である。

 「CELLレグザ」のようなウルトラハイエンドの特殊な製品を除けば、2006年登場のZ2000シリーズから2010年のZ1まで、REGZAでは継続して「レグザエンジン」と称する独自のプロセッサーを映像処理エンジンとして採用し続けていた。新しいCEVOは、テレビ用半導体としては最先端と言える40nmプロセスで製造されるデュアルコアCPUと、高画質化回路やメモリーなど3種類の半導体ダイを1パッケージに積層。Z1のレグザエンジンと比べて、Z2のCEVOは3.4倍もの処理能力を有するという。

新エンジン「CEVO」の特徴。テレビでプロセッサー性能をアピールというのはピンとこないかもしれないが、伝統的にREGZAの上位モデルは、強力なプロセッシングパワーで多彩な機能を実現している

 CELLレグザが汎用プロセッサーである「CELL B.E.」の強力な演算能力を生かしたソフトウェアベースのソリューションだったのに対して、CEVOではテレビ用のカスタムLSIであるため、イメージとしては処理の半分はハードウェアで実行する。

 このCEVOの処理能力を生かした高画質化処理のひとつが、「3次元フレーム超解像技術」(レゾリューションプラス6)である。従来の超解像技術では、表示する映像フレーム自体を解析して高精細化を実現していた。新しい3次元フレーム超解像技術では、表示フレームの前2フレーム分と後1フレーム分と合わせた計4フレームの映像を使い、表示フレームの高精細化処理を行なう。

「3次元フレーム超解像技術」の解説スライド。前2フレームと表示フレームの高解像度映像から差分検出により再構成した映像に、さらに後1フレームとの差分検出も加えて表示フレームを作り出すという

3次元フレーム超解像技術のイメージ画像。右が処理後の画像だが、店頭展示などでデモを見た方がわかりやすいだろう

 デモ映像では従来製品と比べて、すだれや屋根瓦、テレビアンテナといったちらつきの出やすい要素でも、ちらつきのない映像を実現していた。説明によると、テレビ放送だけでなくHDMI経由の入力映像などでも効果があるという。それに加えて、放送波では4分の1に圧縮されて失われた色情報を、4倍に復元する「色の超解像処理」も行ない、映像本来の美しさを再現することに注力している。

 また、従来比で45%もコントラストを改善した新しいIPS液晶パネルの採用に加えて、両サイドに装備したLEDバックライトの16分割エリアコントロール(37Z2は10分割)などにより、映像のコントラストをさらに向上させている。

 映像の残像感を低減する新機能「アクティブスキャン240」では、秒60フレームの映像を120フレームで倍速表示するのに加えて、バックライトを横に8分割(37Z2は5分割)してエリアごとにスキャンすることで、より残像のない映像表示を可能としている。

失われた色情報を再現する「色の超解像処理」と色再現性が向上した液晶パネルにより、色鮮やかになった

バックライトのエリアごとの制御で残像低減に効果を発揮する「アクティブスキャン240」。合わせてパネル側の導光板も改良されている

 ゲームユーザー向けの低遅延表示機能も強化された。「ゲームダイレクト3」と称する新機能では、遅延時間をZ1シリーズの約19.3ミリ秒(約1.2フレーム分)から、約11.9ミリ秒(約0.7フレーム)まで短縮。ついに1フレーム未満の遅延での表示が可能となった。従来機で好評だった、ポータブルゲーム機映像の大画面表示機能も採用している。

本体背面の左側にマザーボード部が収納され、その周囲に端子類が並ぶ。薄型化のために一般的なRCAピンジャックが装備できず、付属の変換コネクターを使ってミニプラグに接続する方式をとっている。テレビチューナーは3チューナー内蔵なので、B-CASカードは2枚挿入される

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