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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第37回

超マニアックなCD屋「メカノ」はなぜ潰れないのか

2010年10月16日 12時00分更新

文● 四本淑三

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インディーズミュージシャンからレコード店社員へ

―― ところで中野さん、若い頃は音楽やられていたんですよね。

中野 もともと僕はプログレが好きだったんですよ。大学に落ちたんですけど、このまま勉強しても意味ないなと思って、イギリスに行ったんです。プログレの本場にね。

―― それいつ頃ですか?

中野 1980年ですね。

1980年、単身イギリスに渡ったという中野さん

―― もうプログレなんて跡形もないころじゃないですか!

中野 人生誤りましたね。行ったらニューウェイブがドえらいことになっていたんですよ。ライブハウスに行くと、スロッビング・グリッスル、SPK、 ディスチャージなんかが、どわーっとやってる。

スロッビング・グリッスル : Throbbing Gristle。1975年にロンドンで結成されたインダストリアル・ミュージックの先駆的グループ。
SPK : 1978年にシドニーで結成された精神病院の看護師と患者による「本物」のインダストリアル系グループ。
ディスチャージ : Discharge。1977年にストーク・オン・トレントで結成された初期のハードコアパンクグループ。

―― えーっ、それはそれで凄いじゃないですか!

中野 今にして思うと凄過ぎるんですよ。そういう生活を一年近くしていて、帰ってきてニューウェイブのバンドを始めたんですね。

―― ひょっとして、そのバンドの音源、売ってたりするんですか?

中野 実は売ってます! 84年までバンドやっていましたが、食えなくなって。

店長のコメントによれば「80年代前半、インディーズ創生期のエレクトロ系レア盤コンピ 当店店主の音源二曲収録」という、その名も「No Shibuya」(おそらく80年代の超有名コンピ「No New York」にちなんだものと思われる)。特典として「店主シングルB面曲のCD-R」付き

―― で、仕事を探すと。

中野 普段から納品していて、一番しっかりしていたディスクユニオンに「働きたいんですけど」って電話したら、面接どこどこに来て下さいと言われるので「はい、知ってます。(自分のCDを)納品してるんで」みたいな感じで。

―― 勝手知ったる感じで売る側に回ったんですね。

中野 入った当時はインディーズに詳しかったし、ニューウェイブは一通り見てきたし、その前はプログレを知っていたんで、ずいぶん重宝がられましたよね。

―― 最初に勤めたのは、どの店舗だったんですか?

中野 最初は新宿店だったんですが、営業本部でニューウェイブを仕入れるとか、インディーズを仕入れるとか、そっちの方を手伝っていましたね。それで新宿のプログレ館ってありますよね。

―― すごい有名なお店ですよね。

中野 あそこは僕が作ったようなものですよ。プログレとニューウェイブをばんばん入れて、それぞれの売上が上がって、別館を持つようになったんですけど。

―― じゃあ「ユニオンは俺が育てた」と。

中野 うーん。そこまで言うとイヤラシイですけど。でもユニオンの社史の中で、僕が一番売上げを伸ばした店長だったと思いますよ。

メカノではことぶき光さんデザインのトートバッグも売っている

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