6月19日に発表されたNVIDIAのGeForce 9シリーズの最新モデルとなる「GeForce 9800 GTX+」(以下、9800GTX+)が、まもなく店頭に並ぶ。このモデルが急遽登場した背景には、ライバルであるAMDの 「Radeon HD4870/4850」が戦略的な価格で登場したことと無関係ではないのは、業界の噂だけではなく読者の皆さんもそう感じているだろう。真意はともかく、いつの時代もライバルがいてこそ市場価格が下がり、そして性能は向上していくというスパイラルを消費者として歓迎すべきことだ。
さて、気になるその価格だが、NVIDIAの公式発表によればGeForce 9800 GTX(以下、9800GTX)が199ドル、9800 GTX+が229ドル。アッパーミドルレンジクラスでありながら、従来のハイエンドビデオカードが手に入るのだから、お買い得であるのは明白だ。もちろん、価格がすぐに下がるかどうかは販売ショップや代理店の在庫や入荷状況次第。また、229ドルを単純に日本円換算した価格で店頭に並ぶかどうかも、今現在では分からない。複数ショップによると「おそらくは2万円後半で登場するのではないか」とのことだが、それでもハイエンドビデオカードの価格としては、やはり安いと言えるだろう。
では9800GTX+はどんなビデオカードなのか見ていくことにしよう。9800GTX+の名前が示す通り、製品自体は9800GTXのクロック向上版となる。特に新たな機能やフィーチャーがあるわけではなく、いつものラインナップ増強と(9800GTXの)価格を引き下げるための戦略的なモデルという位置付けだ。
具体的なスペック上の変更点は2つ。GPUコアクロックが675MHzから738MHzへ、そしてシェーダクロックが1688MHzから1836MHzに引き上げられている。これ以外に変更はなく、メモリ容量もGDDR3 512MBと同一、メモリクロックも2.2GHz(ベースクロックは1.1GHz)と変わらない。単純にクロックが上がっただけのモデルであることが分かる。また大きく報道はされていないが、どうやら9800GTX+は65nmプロセスから55nmプロセスへとシュリンクされている模様。そのため、消費電力や発熱は9800GTXと比べて落ちることが予想される。
| 9800 GTX+/GTXの比較表 | ||
|---|---|---|
| GeForce 9800 GTX+ | GeForce 9800 GTX | |
| コア | G92b | G92 |
| プロセルルール | 55nm | 65nm |
| コアクロック | 738MHz | 675MHz |
| シェーダクロック | 1836MHz | 1688MHz |
| ストリーミングプロセッサ数 | 128 | 128 |
| ROPユニット数 | 16 | 16 |
| シェーダバージョン | 4.0 | 4.0 |
| DirectX対応 | 10.0 | 10.0 |
| メモリクロック | 2.2GHz | 2.2GHz |
| メモリ種別 | GDDR3 | GDDR3 |
| メモリ容量 | 512MB | 512MB |
| メモリインターフェイス | 256bit | 256bit |
| 価格 | 229ドル | 199ドル |
今回、9800GTX+と9800GTXをNVIDIAからお借りしたのだが、「GPU-Z 0.2.5」で見てみるとGPUコアクロックは738MHzではなく740MHzになっていた。市場に登場するモデルが738MHzなのか740MHzなのかは分からないが、微妙にクロックにズレがあるのはビデオカードではよくあること。購入した製品がわずかにクロックが低いとか逆にオーバークロックモデルでもないのに40MHzも高かったとか、そういうことがよくある世界ではあるが、ともかくテストした個体は740MHzである。なおGPU-Zの情報表示では、どちらの製品も65nm、9800GTXと表示されていたが、これはGPU-Zのバージョンが上がれば正しく表示されるようになると思われる。
NVIDIAから借用した9800GTX+と9800GTXの外観は同一で、背面に貼られているプロダクト番号を見て判別するほかない。また電源コネクタもPCI Express 6ピン×2であるため、SLI対応電源などが必要だ。片方だけ差してもブザーがなって起動しないので要注意。
(次ページへ続く)
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