このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

伊藤理絵の“アフィリエイトの謎” 第3回

検索の“スポンサーサイト”とは何か

2007年05月23日 00時00分更新

文● 伊藤理絵 (アフィリエイト研究家)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PPCアフィリエイトという手法


 例えば、クレジットカードの新規契約では、わずか1件の成約でも1万円以上のアフィリエイト報酬が得られるケースがあるそうです。

 この報酬を得るためには、アフィリエイターはまずカード会社のアフィリエイトリンクを自分のウェブサイトに貼り付けて、訪問者に何とかこの広告をクリックしてもらいます。そうしてカード会社の申し込みページにジャンプさせ、登録が完了した時点で晴れて利益となるわけです。

 アフィリエイターは、自分のサイトに来てもらうためにあの手この手を尽くしますが、その王道とも言えるのがSEO(Search Engine Optimization)でしょう。GoogleやYahoo!の検索結果の上位に表示されるべく、サイト構成などを工夫するという手法です。

 先の例で言えば、“クレジットカード 申し込み”といったキーワードの検索結果で自分のサイトが上位に表示されれば、高いアクセス数、ひいては高い成約数も期待できます。

GoogleやYahoo!の検索結果には、スポンサーと書かれた枠にPPC広告が表示されます。Yahoo!の場合には表示結果の1ページ目で、スクロールせずに見える範囲はほとんどがスポンサー広告で埋め尽くされています

 しかし、こうした“おいしい”キーワードは激戦区もいいところで、SEOは新規参入者が容易に太刀打ちできる世界ではありません。では、後発アフィリエイターは指をくわえて眺めることしかできないのかといえば、方法はあります。それがGoogle AdWordsのようなリスティング広告 (Pay Per Click広告、略して“PPC広告”)なのです。



PPC広告出稿の方程式


 PPC広告は、広告費用をかければかけるほど、自分の広告の露出頻度を高められるというのが特徴です。面倒なSEO対策を行なうことなく、お金でアクセスを買えるわけです。そして多くのPPC広告ではクリック単価を自分で設定することができます。ここがポイントです。

 例えば、資料請求1件で1500円の報酬が発生するアフィリエイトプログラムがあったとします。この広告を自分のサイトに張ってアフィリエイト報酬を稼ぎたい場合、こんな風に考えるのが基本です。

 まず確かめる必要があるのは、そのプログラムの成約率。100アクセスごとに1件の成約があった場合、成約率は1%となります。この場合、1クリックあたりの広告費用を15円に設定しておけば、かかる広告費が100アクセスで1500円。報酬が1500円とすると、利益は差し引き0円です。

 でも、広告費用を10円に設定すれば、広告費が1000円、報酬が1500円なので、成約1件あたり500円の儲けが発生すると予想できるわけです。しかもAdWordsはスタート時に開設費用として500円を取られるだけで、毎月の固定費用は不要。広告がクリックされたときだけその費用を支払えばいいので、個人でも気軽に出稿できます。

 確実に損をしないなら、訪問者を気長に待ち構えているのではなく、積極的にお金を払ってアクセスと利益のアップにつなげる──。“キャッシング”や“ダイエット”といったビッグキーワードでGoogleを検索した結果、鬼のようにスポンサー広告が表示される裏には、高額な報酬を用意したアフィリエイトプログラムがゴロゴロしているというわけなんですね。


筆者紹介──伊藤理絵


フリーライター。個人でもネットで気軽に稼げるオイシイ話を24時間体制でウォッチング。自分でも参入できそうな話があれば是非あやかりたいと業界事情にだけは詳しくなりましたが、本業が忙しくてなかなか実行に移せない毎日です。



■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン