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ブロガーの夢かなえる? 米Googleが無料アドサーバー

2008年09月03日 12時23分更新

文●小橋川誠己/ASCII.jp

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 従来、個人レベルの小規模なWebサイト運営者には無縁だった「アドサーバー」の仕組みを無料で使える画期的なサービスが登場した。米グーグルが開始した「Google Ad Manager」だ。

 Ad Managerは、Google AdSenseのアカウントがあれば無料で利用できる広告配信/管理サービスで、バナー広告のホスティング・配信、広告枠スケジュールの管理、レポート作成などの機能がある。今年3月にクローズドなベータ版が発表され、8月26日(米国時間)には日本語を含む多言語対応版が一般公開された。

Ad Manager

一般公開された「Google Ad Manager」のログイン画面

 Ad Managerで広告枠を管理するには、あらかじめ広告を掲載する場所・サイズを決め、Ad Managerが発行するJavaScriptをHTMLの中に埋め込んでおく。Ad Manager上で素材(画像やFlashデータ)をアップして設定を済ませると、スクリプトを埋め込んだ場所へ指定した日時に広告バナーが表示される仕組みだ。いったんスクリプトを埋め込んでしまえばHTMLを書き換える必要がなく、Ad Manager上で常に広告の空き状況を確認できるので、とにかく管理が楽になる。

Ad Manager

広告枠の空き状況、他の広告ネットワークとの収益比較もできる管理画面(画面はGoogleのサイトの利用ガイドから)

 こうした一連の仕組みはアドサーバーと呼ばれ、これまでは高額なASPサービスを利用したり、自前でサーバーを構築しなければならず、小規模なWebサイトでの利用は難しかった。Google Ad Managerは比較的小規模なサイトを対象にしており、利用料は無料。ソフトウェアをインストールする必要もない。アドサーバーのハードルを一気に下げるサービスだ。

 もっとも、Google Ad Managerの魅力は、単にアドサーバーを無料で使えることだけではない。優れているのは、AdSenseと統合されていることだ。広告が入っていない広告枠は、自動的にAd Senseによる広告に切り替え、空き枠を埋めてくれる上に、他の広告配信ネットワークを組み合わせて、「もっとも収益の高い広告を配信できる」(グーグル)という。

 まずはAdSenseなどの外部の広告配信サービスを組み合わせてコツコツ収益を稼ぎながら、サイトの成長に合わせて自前で営業やバナー管理もやってみたい――そんな野望を抱くブロガーや個人サイト運営者を強力にサポートしてくれるだろう。

 残念なことに8月28日現在、日本国内でのサービスは始まっていない。Ad Managerのサイトを見ると、すでに利用ガイドを含めて日本語化が進んでいる。そう遠くないであろう日本でのサービス開始を楽しみに待ちたい。

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