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ロボットは“空気を読む”ようになれるのか。VivaTechで見たヒューマノイドの進化

ダンス、会話、会場認識、太極拳まで。AgiBotのデモに見る「身体を持つAI」の可能性

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 2026年6月にフランス・パリで開催されたVivaTech 2026では、今話題の「フィジカルAI」をテーマにしたヒューマノイドロボットのデモンストレーションも行われた。

 セッション「AI Gets a Body: The Age of Humanoid Robots」では、中国・上海発のロボティクス企業AgiBotの第2世代ヒューマノイドロボット「Agibot X2」がステージに登場。ロボットは自らを「Lumi」と名乗り、音楽に合わせたダンスや、人との会話、会場内の認識、太極拳の動作などを披露した。

 冒頭では、複数のヒューマノイドロボットが音楽に合わせてダンスを行った。ただしAgiBot側は、このダンスについて、現時点では完全にAIベースで動いているわけではなく、あらかじめプログラムされた動作であると説明している。

ステージでは3体のAgibot X2がダンスを披露

 一方で、同社が強調したのは「フィジカルAI」という考え方そのものだ。ChatGPTのような生成AIは、文章作成や情報整理など、主にコンピューター上の作業を支援してきた。これに対してAgiBotが目指すのは、AIをコンピューターの外に出し、現実世界でタスクを実行させることだという。

 デモでは、ステージ上のロボットに対して質問を投げかける形で進行した。ロボットは自らを「Lumi」と名乗り、「AgiBotが開発した第2世代のヒューマノイドロボット」と紹介。ダンスについては、ビートに合わせるシステムと、身体の安定性を保つシステムが連動していると説明した。さらに、人間のダンス動画をロボットの関節の動きに変換し、仮想空間で練習したうえで実機に反映する仕組みにも触れた。

AgiBotのヒューマノイドロボット「Agibot X2」と、Publicis Groupe名誉会長のモーリス・レヴィ(Maurice Lévy)氏(中央)、AgiBot Europe & Americas Presidentのウィリアム・シー(William Shi)氏(右)

 会場認識のデモも行われた。Lumiは、会場内の人数を「約2000人」と答え、ステージ上の人物を認識して挨拶した。さらに、登壇者とのセルフィーを求め、ステージ上で記念撮影をする場面もあった。会話の自然さや認識精度についてはデモの演出も含まれると見られるが、ロボットが単に歩いたり踊ったりするだけでなく、人とのやり取りを含めた体験として提示されていた点は印象的だった。

 後半では、Lumiが太極拳のような動作も披露した。ゆっくりとした手足の動きや姿勢の変化を見せることで、バランス制御や関節制御の能力を示す狙いがあったと考えられる。AgiBotは、家庭で物を運ぶ、家事を手伝う、工場で働くといった用途にも言及しており、エンターテインメント向けのロボットにとどまらない実用化の方向性を示した。

 今回のデモは、ヒューマノイドロボットがすぐに人間の仕事を代替する段階にあることを示すものではない。それでも、AIがソフトウェアの中にとどまらず、物理空間で人とやり取りする時代が近づいていることを感じさせる内容だった。

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