ASCII.jp読者のみなさん、こんにちは! 全日本ラリー選手権JN2クラスに新設された「MORIZO Challenge Cup」でコ・ドライバーをしています、元SKE48の梅本まどかです。老舗の名門、CUSCO RACINGから参戦中です。
愛媛県の久万高原で開催されるラリー
天気が悪くてレッキから苦戦
4月27~28日にかけて、愛媛県久万高原町で開催された全日本ラリー 第3戦に参戦してきましたので、レポートします。
久万高原ラリーは、2019年にヴィッツCVTでJN6クラスデビューをし、2位表彰台に乗ったとき以来になります。標高が高く、リエゾン区間も景色の良さに驚き、写真を撮った覚えがあります。ドローンの映像が綺麗な大川峰のSSは、高低差が500mもあるそうで、登って下っていくSSになっています。もう1つの大谷SSは上り下りが2回あり、どちらもスピードが乗っていくジェットコースターのような感じです。
そんな久万高原ラリーですが、今回天気予報がコロコロ変わり、雨予報かなと思えば前日に曇りマークになり、大丈夫かなと思っていたら当日は雨という最悪な天候。雨だけでなく、霧で前が真っ白という景色の中で走らなければならなかったのです。
今思うとレッキの日に霧が出ず、晴れだったのはまだよかったのかもしれません。今回は大谷と大川嶺の2本と、それぞれの逆走(リバース)の全部で4本のSSを2回ずつ走るという内容です。レッキもゼッケン順に走り、全車通過して逆走を走るという形で行なわれたので、時間にはゆとりのあるラリーでした。
今回はレッキがカラーリングしてある車両でもOKということで、私たちはデモ車のヤリスで行なったのですが、中には本番車でレッキをしているチームもありました。大会によってカラーリングなしだったり、唐津のように主催者が用意したものだったり、いろいろルールが違うのです。
レッキではメカニックさんが必ずスペアタイヤを用意してくれているのですが、こういう準備をして下さるのもCUSCOならでは! こういうところはさすが名門チームだなと、ありがたく感じているところです。
また、レッキの途中で止まってしまった車両もいたのですが、バーストしてしまう可能性もゼロではありませんからね。
レッキは順調に終えられたのですが、土曜日の天気予報を見ると曇りのち晴れになっていたので、「なんとか雨に降られずいけるかな?」と淡い期待を抱いていたのですが……。朝起きて外を見ると完全に雨。路面はフルウェット。ポツポツではなく、普通にザーザーと雨が降っていました。
ラリー1日目から雨というシチュエーションは初めて
セレモニアルスタートが久万高原町役場で行なわれるので、みんな本番車で宿に戻ったのですが、同じ宿の他チームは朝からメカニックさんたちが雨仕様にタイヤや足回りを変更してザワザワ。これがラリーの朝ですね!
1日目から雨というラリーを私は経験してこなかったので、なかなかこういう場面に出会わなかったので、ちょっとテンションが上がったのはここだけの話しです。
久万高原町役場で行なわれるセレモニアルスタートの前には、久万五神太鼓なども披露され、あいにくの天気ではありましたが盛り上がっていました。
私たちはゼッケン20だったのですが、ドライバーが今年ラリー初めてということで、スタートはだいぶうしろの方になっていました。ちょっと悔しかったですが「今回しっかり結果を残して絶対次から前グループと一緒に見てもらえるようになるぞ!」と思っていたのです。
スタートが遅かったぶん雨はだんだん弱くなり、SS1の大谷に着いた頃には雨は上がっていました! ただ路面はウェットなので、気をつけていこう! と出発したのですが、しっかり安定した走りができ、ここでは4位とまずまずな成績。このペースで「安全に完走できるペースを覚えよう!」とSS2の大川嶺へ。
ここは「霧が出ているからね!」と聞いていましたが、走ってみるとホントに真っ白な部分も! ドライバーの星選手は、霧が出て真っ白な中を走るのは初めてのはずですが、順調にこなして霧が薄くなってからは前車に追いついて、抜いて行くくらいの余裕もあり、ここでも安定した走りで5位。 午前中はいいペースで走れていました。
午後は午前中と同じ順番で大谷→大川嶺と走るので、この調子で午後も安定していこうと話していたのですが、SS3の大谷に着くとクラッシュしてしまった車両がいるためキャンセルに。
SS4の大川嶺へはオルタネイト(代替の道。SSで何か起こって通れない場合、この道で次の場所まで行って下さいという指示)を使って移動し、私たちも気をつけていこうね! と話していたのですが、午後の方が霧も濃くなり、午前中よりグリップしなくなり、難しいコンディションになりました。
勾配もきついのでスピードが乗るのですが、残り4kmくらいの下りで曲がりきれず、コースアウト。草むらに入り、そのあと左フロントが電柱にヒット。ここで足回り全体にダメージを負ってしまい、4kmをなんとか走り切るという感じで、なんとか完走はできたのですが、だいぶタイムロスしてしまいました。
SS4の前ではモリゾウチャレンジカップで3位だったのですが、このロスで4位になってしまいました。あとから話を聞くと、みんなこのSSではいろいろアクシデントがあったそうで、やっぱり難しい状況だったのだなと勉強になりました。また、SS4終わりはサービスだったので、ここでメカニックさんにしっかり直してもらい、この日は終了。
2日目はタイヤにダメージを負ってしまい速く走れず……
唐津に続き、メカニックさんには大変な作業をお願いすることになって申し訳なかったのですが、せっかく直してもらったので、もうこんなことはないようにと気を取り直して日曜日に挑みました。
日曜日は前日と逆で、大川嶺リバース→大谷リバースの順で走ります。晴れていいお天気ですが、前日雨だったため濡れているところと乾いているところがあるので慎重に。また、逆走なのでいろんな砂利や砂がたくさん出ているので気をつけて行こうと意気込みました。
SS5の大川嶺までリエゾン区間は短いのですが、TC(タイムコントロール)の前からダート(未舗装路)になっていて、ウォームアップゾーンもあるのですが、ほぼ砂利でアップダウンもあり、とてもウォームアップがしっかりできる感じではありませんでした。
いざ、スタートするとウォームアップできていなかったからか感覚がいつもと違い、リズムが作れれません。最初はスピードを出せていたものの、左タイヤにダメージを負ってしまい、だんだん走れなくなって、最後はタイヤはあるけどホイールで走っている、そんな感覚でした。結果、かなりのスローペースでしか走れず、6位に落ちてしまいました。
終わって確認してみると、タイヤのみのダメージだったので、交換してSS6の大谷リバースへ。一応ダメージがあるかもしれないので、最初は気をつけて走ろう! 絶対に完走! ということを改めて意識し、気を取り直して挑みました。
ここでは4位という結果で安定して走ることができ、SS7大川嶺リバース→SS8大谷リバースではしっかり安定したペースで何事もなく、走り切れました。SS7からは走り方も変えて、ヤリスとより仲良くなり、マシンから伝わる挙動もわかりやすく、歯車がいい感じに噛み合ってきた感触も。最後のSSでは2番手のタイムで終え、いい終わり方ができました。
表彰台も見えただけに悔しい5位
久万高原ラリーの結果は5位と悔しく、日曜日の朝のヒットがなければ表彰台も可能性があっただけに、また逃してしまったという気持ちもありますが「たられば」はラリーになく、これが結果。ただ、日曜日の午後にすごくいい兆しが見え、課題も明確になり、いい状況になったので5月11~12日に開催される次戦「丹後ラリー」が今は楽しみです♪(すでに終わったので、レポートはまた後日)
丹後ラリーはゼッケン21。しっかり対策して丹後はいい結果が残せるように頑張ります!!
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