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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第413回

初代「N BOX Modulo X」に乗って感じた「Modulo X」10年の歴史

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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◆今のクルマにも負けない運動性能

N-BOX

 「10年前のクルマでしょ? しかもN-BOXの初代でしょ?」。その舐めた考えは、少し動かしただけで間違いだったことに気づかされました。「なんだこれ? すごく曲がるじゃないか!」初代N BOXって、こんなに曲がるクルマだったかな? と記憶を巡らせたのですが、ちょっと思い浮かばず、最近出た3代目と比較になるのですが、コーナーリング速度は明らかにN BOX Modulo Xの方が速い! というより「気づいたら速く回っている」という印象。

N-BOX

 「乗り心地は硬くて悪いんでしょ?」と思いがちですが、真逆のしなやかさ。段差舗装などで、硬くて軽いクルマは跳ねるのですが、N BOX Modulo Xは真逆。スッスッと軽くいなして、ドライバーにインフォメーションは伝えながらも、不快な振動を伝えないのです。

N-BOX

メッセージボードに描かれた福田さんのメッセージ「刺さる乗り味」

 それゆえ体に流れる愚かな血が騒ぎ、思わずアクセルを踏みたい衝動を抑えるのに必死。福田さんは在職中「響くクルマ」「刺さるクルマ」という言葉をよく言われていました。開発アドバイザーの土屋圭市さんは「Hondaに乗る人は、飛ばす人でしょ」と笑っていらっしゃいました。このクルマは「飛ばす人に刺さって響くクルマ」そのもの。最初からこのコンセプトでクルマを作られていたことに驚くほかありません。

 車重が軽く重心が高いクルマでかっ飛ばすとこわさを覚えるのですが、まったくこわくない! すごくキビキビしているクルマなのに、四輪が地面についているという確かな安心感。何より普通に走っていても気持ちがよい! こんな軽自動車、今まで乗ったことがない!

 最新モデルの「FIT Modulo X」は、いっそう洗練はされているのだけれど、根幹はまったく一緒。「10年前に、こんな乗り味のクルマを作っていたのか!」と驚くほかありません。快適装備の面では、現在のN-BOXから2歩は遅れているのですが、走りは2歩進んでいるといいたくなるほどに魅力的。思わず中古車サイトで程度のよいN BOX Modulo Xはないのか? と探してしまいました。過去2回、Modulo Xのオーナーミーティングにお邪魔した際、いまだにN BOX Modulo X乗られている方を見て驚いたのですが、彼らが手放さない理由がわかりました。現在のクルマで、これの代わりになるクルマがないのです。

◆はやく次のModulo Xを作って!

N-BOX

 「そんなに良いなら買えば?」というと、いまさら「快適装備がほとんどない中古の軽自動車」に100万円以上を支払うのは……。今からクルマを買うならHonda SENSINGなどの運転支援・安全装備は欲しいし、USB充電ポートだって欲しい。エンジンの振動が常にステアリングに伝わるのもつらい。各種ノイズが車内にどんどん飛び込んでくる。それに自動車重量税は13年経過、18年経過で高くなるわけで……。

N-BOX

3代目N-BOX CUSTOM

N-BOX

3代目N-BOX CUSTOMの足回り。「赤いバネと白いダンパー」を早く見たい! 乗りたい!

 つまり「3代目N-BOXのModulo Xを出してほしい」というのが正直な気持ち。N-BOX CUSTOMが230万円位しますから、N-BOX Modulo Xは300万円になってしまうかもしれない。でも、毎日乗る軽自動車だからこそ、気持ちのよいクルマを求める方がいらっしゃるのではないでしょうか? なにより、福田さんがN BOX Modulo Xを世に送り出して10年。湯沢さんが次の10年をスタートさせるN-BOXを見せてほしい! 赤いバネと白いダンパーがついたN-BOX CUSTOMに触れたい、乗りたいと願う人は、筆者だけではないハズ!

 なにより“職人”たちが10年という歳月で作ってこられたModulo Xブランドを、半導体不足とか納期遅延といったことで、このまま消滅させるのは、あまりにもったいない! ブランドというのは一朝一夕でできるものではありません。長い時間をかけて、ユーザーとともに作り上げていくものです。ブランドを失うことは、すなわち信用を失うことなのです。

N-BOX

ZR-V e:HEV SPORTS ACCESSORY CONCEPT

N-BOX

CIVIC e:HEV SPORTS ACCESSORY CONCEPT

 東京オートサロン 2023のHondaブースに、ZR-VとCIVIC e:HEVのスポーツアクセサリーコンセプトが展示されていました。「これに玉サスが乗ったら、絶対に最高に楽しいクルマになる!」と誰もが思ったことでしょう。福田さんのおっしゃる「自分たちのコンセプトとお客さんのコレを作ってほしいというのが響けば、もしかしたら完成車として、工場で作れるかもしれない」という言葉を借りるなら、多くの人々のココロに、エンジニアが作りたいクルマが放つ音が響いているんですヨ。

N-BOX

 2023年4月、Hondaはグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams」を23年ぶりに再定義し、新たに副文「How we move you.」を発表しています。本田技研工業の三部社長は会見で「夢の力で、あなたを動かす」と、力強く語りました。ならば、エンジニアの夢が詰まったModulo Xを出して、僕の財布のヒモを動かしてください。期待しています!

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