今やジャーマンスリーと肩を並べる存在となったレクサス。同ブランドの最新SUVであるNXに、プラグインハイブリッドモデルが加わりましたので、さっそくチェックしてみたいと思います。われらがアイドル、純情のアフィリアの寺坂ユミさん(以下、ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長)とともに。
LEXUS(レクサス)のブランド力と知名度
レクサスといえば、今や知らない人はいない高級ブランド。もちろんゆみちぃ部長も存じております。さらに「レクサスを試乗したい」と、配車担当の部員K(不肖)にオネダリする始末。そこで「なんでレクサスに乗りたいの?」と尋ねると「カッコいいから」「高そうだから」という漠然とした答え。これは「彼氏に乗ってほしいクルマ」といったウェブ記事で、常にレクサスの名を見るのと似て、ASCII.jpでは様々な女性(モデルやアイドル)にクルマの試乗をお願いする際に「運転してみたいクルマは?」と尋ねると必ずといってよいほどレクサスの名は挙がるのと似ています。つまり乗ったことはないけれど、ブランドイメージから乗ってみたい、と思うわけです。ですが、どうしてそう思うのでしょう? 試乗の前に、今一度レクサスブランドを紐解いてみたいと思います。
レクサスは、ドイツ語の「Luxus」(贅沢)を語源として、ラグジュアリーと最先端テクノロジーを表す造語をブランド名に、1989年北米で立ち上がりました。日本上陸をはたしたのは2005年。わずか17年でクルマに興味があろうがなかろうか、誰もが憧れを抱くブランド力、知名度を得たということになります。名前は知られていても、レクサスがどの国のクルマなのかは案外知られておらず、ゆみちぃ部長も「コロナ禍で高級車が売れているというニュースを見たとき、はじめてレクサスがトヨタのブランドであることを知りました」と言います。クルマに詳しくない方にとってレクサスは、トヨタの高級ブランドではなく、なんだかよくわからないけれど、ラグジュアリーで高価なクルマという印象を見事に植え付けたのです。
では、レクサスはどのくらい売れているのでしょう? 2022年3月の月間販売台数(軽自動車を除く)によると、その数は4044台。この数字、ダイハツの販売台数(4219台)とほぼ同値! つまり高級車が普通車と同じ位に売れていることに驚くほかありません。ちなみにトヨタは13万5231台……(参考:一般社団法人日本自動車販売協会連合会より)。なお、軽自動車を入れるとダイハツは同じ月に約4万台売れています(内軽自動車が約3万6000台)。
レクサスは現在、11車種+船1隻をカタログモデルとしています。そのうちSUVは小さい順にUX、NX、RX、LXの4車種のみ。ですがこの4車種でレクサスの売り上げの8割近くを占めていると言われています。確かにレクサスのSUVを見かけない日はありません。
レクサスのSUV「NX」ってどんなクルマ?
話が長くなりましたが、NXについてご紹介しましょう。初代が誕生したのは2014年のこと。ライバルはズバリ、BMWのX3やアウディ Q5、メルセデス・ベンツのGLCといったところで、いわゆるDセグメントSUVに属します。ジャーマンスリーのそれらの車種は売れ筋のクルマですので、真っ向勝負を挑んだレクサスの力の入れようも半端ないもの。それゆえか、初代はグローバル販売台数の1/4を占める大黒柱になりました。
フルモデルチェンジをしたのは昨年(2021年)の年末のこと。主なラインアップは、2.5リッター自然吸気エンジンの「NX250」、2.4リッターターボエンジンの「NX350」、2.5リッター自然吸気エンジン+ハイブリッドの「NX350h」、同プラグインハイブリッドの「NX450h+」の4種類。このようにパワートレインを豊富に用意し、幅広い価格幅を持たせるのは、ライバルと同じ戦略です。これらをベースに、車格やキャラクターに応じて、標準グレードのほか「バージョンL」と「Fスポーツ」が用意されるのも、レクサスのお約束ごと。
バージョンLは大径20インチホイールや本革シート、大型14インチセンターディスプレイなどが標準装備となる豪華仕様。Fスポーツはその名のとおり、走りまで特別仕立てのスポーツモデル。専用デザインの20インチホイールや14インチセンターディスプレイのほか、ブラックメッシュグリル、スポーツシート、さらには連続可変ダンパーの「NAVI・AI-AVS」や、剛性感や操縦安定性を高めるパフォーマンスダンパーを標準装備したモデルです。
今回試乗したのは、その中でも最上位となるNX450h+のバージョンL。お値段は714万円と、お値段も最上位。気になるレクサスを前にゆみちぃ部長は上機嫌です。
まずはエクステリアから。ボディーサイズは全長4660mm、全幅1865mm、全高1660mm。車体重量はなんと2010㎏と2トン超え! 「結構大きいですね。ハリヤーと同じか、少し小さい位でしょうか」ということで、ハリヤーの寸法はというと、全長4740×全幅1855×全高1660mmと、あまり変わらないようです。
「このグリルがいいんですよね!」と大きなスピンドルグリルにご満悦。ですが「個人的には同色じゃなくて、昔みたいに銀色にしてドヤ感を出してほしかったですね」と、知多半島出身で派手好きのゆみちぃ部長にはちょっと物足りない様子。「オプションとかで選べたらいいのに」と、残念そうです。
続いてパワートレインをチェック。2.5リッター自然吸気エンジンにプラグインハイブリッドのユニットが姿を現します。「RAV4 PHV」と同時開発されたもので、182PS/54PSの前後モーターや容量18.1kWhのリチウムイオン電池などといった電動部分はRAV4 PHVと共通。ただエンジンはハイオク専用としたことで、最高出力/最大トルクはRAV4 PHVより8PS/9N・m強力な185PS/228N・mへと向上。システム最高出力も3PS高い309PSを発生します。
「プラグインハイブリッドとハイブリッドの違いって何ですか?」と尋ねるゆみちぃ部長。プラグインハイブリッドとは、充電できるハイブリッドのこと。充電できると何がいいかというと、ガソリンの変わりに充電すれば走行できるというわけです。ちなみにフル充電時で約88㎞(WLTCモード)の走行が可能。ちなみにリチウムイオンバッテリーの蓄電容量は18.1kWhで、充電は家庭用充電のみ。空っぽの状態からフルまで、およそ一晩かかるとのことです。
「急速充電できないんですか?」と頭にクエスチョンマークが点灯するゆみちぃ部長。「出先で充電できないって不便じゃないですか」というお話はその通り。でも「たとえば都心部からお台場への買い物とか、電気だけで往復できちゃいますよ。遠出した時は、ガソリンで走行するというように、使い方を分ければいいのでは?」と部員Kは提案した次第。「ちなみに2時間アイドリングすれば9割近くまでは充電できるようですよ」とお話したところ、「そんな環境に悪いことしません!」と怒られてしまいました。
PHEVゆえ、購入時に補助金が出ることを知ったゆみちぃ部長。その金額は令和3年度で55万円! 「55万円は大きいですね!」と笑顔です。「つまり戸建てに住んでいらっしゃる方など、自分の敷地内に駐車場が確保できる方にはよい選択なのですね」と結論づけたところで、ラゲッジをチェックしましょう。

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