Pinnacle Ridgeこと第2世代Ryzenが登場
2018年4月にはPinnacle Ridgeこと第2世代Ryzenも発売され、こちらも深夜販売が実施されている。
ZenとZen+では構造そのものは完全に一緒ながら、プロセス微細化(14LPP→12LP)の効果で内部のレイテンシーが大幅に削減されており、実効性能をさらに高めるとともに動作周波数向上が実現。性能的にもインテルのCoffee Lakeこと第8世代Coreに肉薄するところまで来たという話は、先のKTU氏のレビューにもある通りだ。
5月にはビジネス向けのRyzen Pro Gに加え、第2世代Ryzen Threadripperの情報も公開され、6月にはその第2世代Ryzen Threadripperが発表。8月には深夜発売も行われ、その性能とコストパフォーマンスでインテルのCore-Xを突き放している。
この2018年には、大きな動きがあった。それはもともとAMDから分社化され、そしてこれまでAMDのCPUの生産を支えてきたGlobalfoundriesが7nmプロセス開発から撤退したことだ。このタイミングでAMDはZen2コアがTSMCで製造されることを明言。11月にはその7nmで製造されたZen2コアを搭載する第2世代EPYCのプレビューも行なわれた。
Matisseこと第3世代Ryzenで
ついにインテルを凌駕
翌2019年のCESではこの7nm製品の詳細が公開され、第3世代Ryzenの深堀りもお届けしたが、製品の発表は5月のCOMPUTEXで行なわれ、詳細は6月のNext Horizon Gamingイベントで説明された。発売は7月7日まで伸びたものの、大人気でたちまち品切れになった。
ちょうどこのころインテルは10nmプロセスの量産立ち上げに失敗してCoffee Lake Refreshでお茶を濁していた時期であり、それもあってついに性能面でインテルを凌駕する。このタイミングで、第2世代Ryzen APUも市場投入され、こちらも人気を博していく。
ちなみにこの時期、2018年におけるマーケットシェアも発表され、Ryzen発表前にはほぼゼロに近かったPC向けのシェアが、2018年末にはデスクトップで15.8%、モバイルで12.1%、サーバーで3.2%を獲得したことを明らかにしている。
ただ第2世代Ryzen APUはまだ12nmプロセスということで見劣りしていたが、こちらも7nmプロセスに移行したRenoirことRyzen 4000Gシリーズが投入されることが2020年のCESで発表された。ことデスクトップ向けではついにインテルを凌ぐ性能を実現したものの、モバイル向けはやや後手に回っていた感が強かったが、ここにきてやっとインテルと互角の製品を投入できるようになったわけだ。
同じCESではRyzen Threadripper 3000Xシリーズも発表され、2月には販売を開始した。いろいろな意味での化け物ぶりを発揮した。また3月のFinancial Analyst DayではZen 4がロードマップに姿を現している。
その一方、Renoirベースのデスクトップ向けAPUは、なぜかリテール向けの発売は行なわれず、ビジネス向けのRyzen PRO 4000Gシリーズのみが2000年7月に投入される。おもしろいのは、ビジネス向けにも関わらず8月にはバルク販売の形でこれが市販されたことだ。
性能はレビュー記事で紹介されたとおりで、ハイエンド向けはRyzen 3000シリーズ、ミドルレンジからローエンドはRyzen PRO 4000Gシリーズという完璧な布陣が完成した格好だ。
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