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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第641回

Ryzen5周年記念企画 Ryzen誕生から5年の歩みを振り返る

2021年11月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Summit Ridgeこと第1世代Ryzenの誕生

 2016年1月におけるロードマップは下の画像のとおり。まずAM4というDDR4対応のプラットフォームを立ち上げ、この上でZenコアの製品を2016年中に投入予定だった。

2016年1月におけるプロセッサーロードマップ

 その2016年のCOMPUTEXで、Zenコアを使うSummit Ridgeが初めてお披露目される。この時点では2016年第3四半期中にベンダーへのサンプル出荷が開始される予定であったし、8月には内部構造の解説を含む詳細な情報が公開され、HotChipsでもさらに追加情報が公開された。

 12月にもイベントを行なって動作周波数などの情報を公開したが、製品そのものの投入は2017年3月になった。筆者はこれに先立って2月に開催されたTech Dayに参加したのだが、この際にまさかこの荷物を持たされて日本に帰ってくる羽目になるとは思わなかった。

木箱の中にはCPUとマザーボードとメモリー。noctuaのCPUクーラーは木箱に入りきらず。横に置いたevianのボトル(500ml)から大きさがわかろうというもの。その昔、IDFの最終日に突然Pentium 4 XEをマザーボードごと渡されて「評価してくれ」と言われて以来の「機材持ち帰り帰国」。ダッフルバッグに入れるのに難儀した記憶が

 ASCIIでは林先生による渾身のレビューが掲載されている。3月3日の深夜販売には300人ほどが集まるという、AMDの製品の発売ではしばらく見られなかった光景が広がった。

秋葉原で実施された深夜販売の行列。マザーボードが売り切れるとCPUのみ購入していく人も多くみられた

 その2017年、5月にはサーバー向けに4ダイ構成のEPYCを投入、8月にはRyzen 3に加えてRyzen Threadripperも投入された。このRyzen Threadripperの深夜販売もかなりの賑わいを見せた。

Ryzen Threadripperの深夜販売。販売解禁と同時に液体窒素冷却のデモを開始したTSUKUMO eX.には、多くの自作マニアが集まった

 ただここまでの製品はすべてGPU非統合の製品であり、特にRyzen 3のSKU向けにはGPUを統合したAPUの投入が望まれた。AMDも8月の時点でAPU向けのエンジニアリングサンプルを公開したりはしたものの、APUの投入は2018年になる。

Raven RidgeことRyzen APUのエンジニアサンプル。連載412回より抜粋

 Ryzen APUはまずモバイル向けが投入され、デスクトップ向けは2018年2月に投入されることが明らかになった。この際に、Zen+コアによる第2世代Ryzenの詳細も明らかになった。そのデスクトップ向けRyzen APUは、発売されると好調な出だしを見せている

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