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介護・福祉業×LINE WORKS 第17回

LINE WORKSで介護現場の課題解決! 採用管理、定着ツールとして活用

2021年10月06日 10時00分更新

文● Sixpence

提供: ワークスモバイルジャパン

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これからICTを導入しようとしている中小規模の介護施設・事業所にうってつけなツールがLINE WORKSだ。導入企業はすでに25万社以上 という国内市場でトップシェアのビジネスチャット(※)だ。介護業界でも導入する施設・事業所が増えていて、介護スタッフの募集や定着にも効果アリという声もある。今回は採用・定着のツールとして活用した事例をそのノウハウとともに紹介しよう。
※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2018~2021年版」調べ
 

採用にかかわる悩みに直面しているなら


人材の確保と定着は今や介護事業者にとって死活的な問題だ。空前の売り手市場のため、採用そのものが難しいうえ、ようやく採用しても短期間で辞めてしまう人が多いことに悩んでいる施設も多いだろう。新人社員のほうも「面接時に言われたことと実際の職場にはギャップがあった」などと悩んでいるかもしれない。日々の業務をこなすことに精一杯で意思疎通を疎かにしてしまうと、不満がくすぶってしまい早期退職につながりかねない。

そもそも一人の職員を採用するまでには人材募集の告知、応募対応、面接、合否判断、受入準備、入社後の研修や定着までのサポートなどさまざまなプロセスがあり、これらの情報の管理はかなりの労力を要する。多忙な介護現場では採用に関するやりとりや、面接の日程調整などに労力を割かれるのは少なからぬ負担だ。そういった採用にかかわる情報管理や関係者との連絡にぜひ検討してほしいのが、LINE WORKSの活用だ。

愛知県名古屋市で介護付き・住宅型有料老人ホームやグループホームなど介護施設10か所と保育室1か所を運営する株式会社メグラスはLINE WORKSをコミュニケーションのツールだけでなく、採用管理・人材定着にも活用し、成果をあげているという。どのように活用しているのか、採用や定着支援や広報を担当する浅井 有希子さんに話をうかがった。

業務連絡ツールとして導入したLINE WORKS


──LINE WORKSはどのように利用されていますか。

介護業界としていち早く社内SE(システムエンジニア)を置いた当社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みを積極的に進めてきました。LINE WORKSを導入した当初の目的は、組織の伝達経路の垣根を取り払い、最前線のスタッフとリアルタイムに直接コミュニケーションを図ることでした。その後、利用促進のために全社に向けた人事考課などの告知をLINE WORKSで行う、という方針を打ち出したところ、急速に浸透しました。当社では現在、採用と定着のプロセスでもLINE WORKSを活用しています。

ATSの代わりに活用して大成功


──採用活動に利用されるようになった経緯は。

当社は採用活動を常時行っています。毎月50~100名の応募があり、10~15名採用しているのですが、多数の応募者への対応が同時進行するうえ、最前線で働くメンバー達が採用に関わるため、進捗管理がとても大変で、応募者の履歴書や資格証明書などの書類を共有するのもその都度各施設と郵送やメールでやり取りするのが面倒でした。また募集や選考結果の通知などを行う人事部門と、面接や合否判断を行う各施設とでは、同じ愛知県内にあるとはいえ、物理的にかなり離れているためタイムリーな連携をはかりにくいことも課題と感じていました。

何とか効率よく管理できる方法はないか、と考えるなか、ATS(Applicant Tracking System:採用管理システム)を利用することを検討しました。これは応募情報や面接スケジュールの管理ができるシステムで、いくつかのツールが存在しているのですが、利用料が高額です。ATSの導入を検討するうち、ふと、スタッフどうしで日常業務の連絡に活用しているLINE WORKSでATSと同じような使い方ができるのではないかと気づき、トライしてみることにしたのです。
 
──結果はいかがでしたか。

予想以上の大成功でした。私たちがATSで実現したかったのは、応募者情報や面接スケジュールの一元管理、選考ステータスの「見える化」、人事部門と各施設をまたいだスムーズな連携と情報共有でしたが、これらのすべてがLINE WORKSでも実現できたのです。しかもATSでは対応できない、入社後の定着に至るまでの見える化や情報共有まで可能になりました。そのうえ、ATSを契約せずに済み、余計な導入コストや多額なランニングコストもかかりませんでした。 

1応募者につき1つのグループを作成


──具体的には採用活動でLINE WORKSをどのように用いているのでしょうか。

情報共有では「トーク」機能を活用しています。応募があったら、人事部門の担当者は、1応募者につき1つのグループを作成し、施設の面接官などの選考関係者を招待。「こういう方から応募がありました」といった情報共有を行います。このグループ内にて、人事部門と施設側とのコミュニケーションを集約させるのです。グループ名には、応募日、ステータス(選考や入社などどの段階にいるか)、施設、氏名、職種、応募経路などを入れます。選考が進めば、グループ名はその都度変えることにしていて、応募者のステータスに変更があったら、人事部門のほうでグループ名を変更します。常に最新の状態にしているため、「選考」でトークルームを検索すれば、現在、選考中の応募者が一括トーク一覧に表示されます。このように大量の情報をLINE WORKS上で一元して管理・整理できるため、人事部門の業務は効率化され、大幅に改善されました。施設側も「応募者の情報がわかりやすくなった」「内定者の受け入れ準備を速やかに行えるようになった」など大変好評です。
 

選考状況をグループ名に表記。キーワード検索でソートしリスト化できるため、管理が容易だ。引用:LINE WORKS導入事例

──「トーク」以外のLINE WORKSの機能も用いるのですか。

面接の日程調整については「カレンダー」機能で情報を共有していて、スムーズに調整が行えるようになりましたし、「ノート」機能で履歴書や職務経歴書、面接で使ったメモなどを保存しておき、必要に応じてすぐに閲覧できるようにしています。こうした機能を活用すれば、ATS同様の採用活動の効率化が十分に可能です。
 

応募者に関する情報をトークルーム内に集約。ノートや予定も活用し、関係者に共有している。引用:LINE WORKS導入事例

定着までのフォローにも利用できる

 
──採用専門のATSと比べて遜色ない機能を備えているということですね。

遜色ないどころか、通常のATSにはない強みもあります。入社後も引き続き同じトークルームを、定着に向けた新入スタッフのフォローにもそのまま使えるという点もいいです。

人事部門は採用が決まったら、ステータスを「入社」に変更して、入社後のサポートを行う施設の先輩スタッフをグループに追加します。トークルームに入れば採用経緯が時系列で把握できるので、イチから説明する必要もありません。

当社では入社から半月後に人事部門にて面談を実施するのですが、採用時から面談までの情報をワンストップで管理できているため、新入スタッフが定着してくれるまでしっかり見守っていくためのツールとしてそのまま活用できるのです。LINE WORKSは、こういった自在なコミュニケーションを可能にしてくれます。また、工夫次第で可能性はさらに広がるはずです。今後もLINE WORKSの新たな活用方法の開発に取り組みたいですね。
 
 
次回は、10月22日からワークスモバイルジャパンで開催される、介護・福祉事業従事者の事業経営に役立つ秋のオンラインイベントを紹介する。

 

ワークスモバイルジャパンでは、介護・福祉従事者向けに、BCP策定や緊急連絡網整備のポイントをおさえたLINE WORKSを活用した無料でできる緊急連絡網の整備するセミナーを行っている。詳細は以下の通り。

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