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仕事量で換算したら、5人くらい? いや、それ以上かもしれません

院長曰く「マジ神です」 LINE WORKSとMail2Linkで実現したDXな美容クリニック

2023年07月13日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

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 東京都港区の三田を中心に医療脱毛などを展開する美容クリニックのレナトゥスクリニック。3年前にLINE WORKSを導入し、トークのみならず、アドレス帳、カレンダー、外部連携までフル活用している。LINE WORKSの導入から活用まで、レナトゥスクリニック 統括院長 副田 周氏に話を聞いた。

脱毛専門のAIソフトを自ら作るレナトゥスクリニックのこだわり

 レナトゥスクリニックは医療脱毛とヒアルロン酸注入を提供する自由診療の美容クリニック。都内では港区の三田、新宿に店舗を構えており、7月には大阪に新店舗がオープンする予定だ。お客さんの9割は女性。取材場所となった三田の東京田町本店は場所柄、学生やOLさんが多いイメージだが、近隣のお客さんは実は少ないくらい。価格ではなく、品質を求めてたどり着くお客さんがレナトゥスクリニックにやってくる。「北海道からわざわざ来てくれるお客さまもいました」と副田氏は語る。

レナトゥスクリニック 統括院長 副田 周氏

 医療脱毛の市場は大きい分、大手も含めて、ライバルは多い。レナトゥスが重視するのは、価格よりもクオリティ、そしてエビデンスのある脱毛だ。副田氏は、「ポンコツの脱毛器で中途半端なサービスを提供したり、表示金額を安く見せて、実際に脱毛が完了するまで、お金がかかる事業者も多い。こんなのは正しいサービスではない」と手厳しく指摘する。

 これに対してレナトゥスクリニックは効果をきちんと実証できる脱毛を目指している。最新の脱毛器を採用し、うまく扱えるようスタッフを徹底指導。さらに脱毛専門のAIソフトウェアを自ら開発しているというからすごい。「毛の本数って実はとても数えにくいんです。同じところから数本生えていたり、ゴミみたいに見えることもあります。人力で数えていたら、とんでもない労力がかかります。だから、AIを用いて脱毛のエビデンスを証明しようとしています」と副田氏は語る。

 オープンしたのは2019年4月。コロナ渦に入る直前に始めたわけだが、へこんだのは初月のみで、あとは右肩上がりだ。ペット業界とともにコロナ禍で伸びたと言われる美容業界だが、成長の背景にはお客さんのネットリテラシが高くなったのもある。「脱毛のお客さまはほぼ広告と口コミで店を探すのですが、広告は物量作戦も多いし、SEOも過剰です。でも、調べるスキルが上がったので、広告にまどわされず、レナトゥスクリニックにたどり着くお客さまが増えましたね」と副田氏は語る。

「とにかく使える」を最重視したLINE WORKSの選定

 開業当初は4人しかいなかったので、LINEで十分だった。でも、人数が増えてくると、通知も増え、仕事とプライベートが混ざってくるのに副田氏は違和感を感じたという。いろいろツールをネットで探した結果、LINEに慣れている若いスタッフでも使えるLINE WORKSに白羽の矢が立った。導入は2020年。「導入したけど使われないことって多いじゃないですか。だから、『とにかくどんなユーザーでも使える』を最重要視しました」と副田氏は振り返る。

 まずトークに関しては、クリニックごとにグループを作成しており、そのほかは必要に応じてグループを作っている。特段ルールは設けていないが、「正直、スタンプが飛び交いまくりすぎるので、リアクションだけにしてもらっています」(副田氏)とのことだ。

業務連絡が飛び交うLINE WORKSのトーク

全社への周知事項もLINE WORKSに流される

 一般的にはトークの利用に偏りがちなLINE WORKSだが、レナトゥスクリニックでは導入後3年でアドレス帳、ノート、カレンダーなど多くの機能を現場でフル活用している。副田氏は、「アドレス帳に所属クリニックや役職を入れておけば、新しく入った社員・スタッフでも誰がどの役職なのかすぐわかります。あと、採用面接も予定決まったら、ビデオ会議のリンクを送るだけなので、大きく手間が減りました」など思い当たる利用方法について紹介してくれた。

 たとえばノートは脱毛機器などの効果を最大限に引き出すためにスタッフ用のマニュアルや教育用動画を整備し、スキルアップで活用している。必要なことがあれば、検索して利用でき、トークグループとひも付いているので掲示板よりノートを使っているという。「『聞いてないです』『教わってないです』というコメントが出ないよう、本当に全部揃えました」とのこと。また、カレンダーも便利に使っており、iOSのカレンダーとLINE WORKSのカレンダーと同期できる※のも、お気に入り。「便利です。秘書とか雇おうかと思ったのですが、これとSiriがいれば問題ないです」と副田氏は語る。

※iOSとの同期はアドバンスドプランにてサポート

スタッフに向けた教育用の動画はノートで共有

LINE WORKSのカレンダーはiOSと同期して使っている

 外部との接続も可能なところから行なっている。たとえば、人材エージェントもメールからLINE WORKSに切り替わったため、煩雑なやりとりがなくなった。また、税理士ともつながっており、各院のグループ長と副田氏が1つのグループ内でやりとりしている。複数ユーザーが参加するグループ内で、税理士からの問い合わせに対応するため、迅速で透明性も高いという 。

Mail2Linkで在庫管理のアラートがLINE WORKSへ

 レナトゥスクリニックでは、ハウスウェルの「Mail2Link」というツールをLINE WORKSと連携させ、在庫管理を効率化している(関連記事:会社へのメールをLINE WORKSで受信して見落とさない方法)。具体的にはヒアルロン酸やボトックスなどの重さを専用のIoTマットで計測し、足りなくなったタイミングでLINE WORKSに通知が行くようになっている。

スマートショッピングのIoTマットで重さを計測し、在庫を管理している

 これまでレナトゥスクリニックは、ヒアルロン酸やボトックスなどの在庫を確認するため、スタッフがわざわざ冷蔵庫に行って確認するという作業を行なっていた。特に三田店舗はフロアが2階と4階に分かれているので、確認作業もかなり面倒。この課題を解消するためにレナトゥスクリニックが導入したのが、スマートショッピングという事業者が提供していた在庫管理可能なIoTマットだった。

 ただ、スマートショッピングの在庫管理システムは通知手段がメールのみ。社内でのやりとりがLINE WORKSに統一されていたレナトゥスクリニックでは、外部とのやりとりのみのメールは埋もれがちだった。もし気付かずに在庫がなくなった場合、お客様にサービスが提供できなくなってしまう。これをLINE WORKS経由の通知に変えたのがMail2Linkだ。スマートショッピング経由でMail2Linkを知り、導入したのは2021年12月なので、すでに1年半以上使っている仕組みだ。

 アラートはMail2Linkを経由して、LINE WORKSのトークに流れる。具体的には、ヒアルロン酸はパッケージ自体の在庫がなくなるとアラートが流れ、ボトックスは在庫のみではなく、スタッフが作ったアンプルが足りなくなったら、アラートが上がる。いずれにせよ、在庫切れアラートを見たスタッフ(役職者)は、「対応します!」のボタンを押して発注をスタートさせる。アラートに直接マニュアルが貼られてくるので、リンクからそのまま発注することができる。 スタッフの手間を考えたスマートなオペレーションだ 。

Mail2Link経由で在庫の不足がLINE WORKSに通知。あとは「対応します」ボタンから発注すればOK

デジタル化しないと生き残れない 痛感してからのDXへの猛進

 2023年6月現在、アカウント数は50を突破しており、LINE WORKSはレナトゥスクリニックの基本業務システムとなった。その間、ユーザーから問い合わせが来たこともなく、今やスタッフが日常的に使いこなしているという。副田氏は、「LINE WORKSはめちゃ便利。マジ神です」 と賞賛を惜しまない。

 導入効果について副田氏は、「仕事量で換算したら、5人くらい? いや、それ以上かもしれません」と語る。確かにレナトゥスクリニックのLINE WORKSは、全体のコミュニケーションはもちろん、スケジュール調整、採用管理、在庫確認まで多岐に及んでいるため、効果は大きい。「加えてスピード感が上がったのは大きいですね」(副田氏)は振り返る。

LINE WORKSのビデオ会議も社内コミュニケーションで利用中

 オープン当時にもかかわらず閑古鳥だった初月、副田氏は「これはデジタル化を進めて、人手のかからない仕組みを作らなければ、生き残れない」と痛感したという。自身が「システム化好き」と言うこともあり、社内システムはLINE WORKSと電子カルテ、予約システムは「メディカル革命 by GMO」、決済はクラウド型POSレジの「スマレジ」、顧客サポートに「Lステップ」などを活用し、ひととおりIT化を図ってきたという。「基本的には乗り換えずに、1つひとつを深掘りしていきます」と語る副田氏。今後のLINE WORKS活用もどんどんディープになっていきそうだ。

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