東京都の小池知事が、2020年12月8日の都議会で「都内で販売されるガソリン車の新車販売について、乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までにゼロにする」方針を明らかにしたのは記憶に新しいところ。となると、次に買うクルマはモータードライブのクルマ良さそうですが、バッテリーの充電時間や航続距離が気になってしまいます。そこで注目したいのが、水素を使う燃料電池車です。そこでHondaの「クラリティ FUEL CELL」を数日間試乗させていただき、未来のクルマ像をご紹介したいと思います。
燃料電池車ってどんな仕組み?
まず、燃料電池車(FCV)について、カンタンに説明しましょう。FCVは、水素と酸素の化学反応を利用した発電装置(FCスタック)の電力で、駆動モーターを回して走行します。決して水素を爆発させたエネルギーで走行しているわけではありません。実際の仕組みは、FCスタックで発電した電力を、すぐに駆動モーターには送ることはなく、走行用バッテリーに貯められます。つまり発電機を搭載した電気自動車であり、日産自動車のe-POWERに似たシリーズハイブリッド車になります。
発電機を搭載することで、一般的な電気自動車を運用する上で最も頭を悩ませる充電時間の問題から解消されます。よって営業車など、連日長時間・長距離を走行しなければならないクルマはもちろんのこと、月極駐車場を借りてクルマを所有している人にとってもうれしいのでは? このように一般の方が、ガソリン車から「GoTo脱炭素車」しやすいのは、電気自動車よりもFCVではないでしょうか。
80年代から燃料電池車の開発をしていたHonda
Hondaは1980年代後半から燃料電池車(FCV)の開発を行っており、2002年には日本とアメリカで「FCX」のリースを開始。その後、2008年にはセダンタイプの「FCXクラリティ」と続き、2016年にクラリティ FUEL CELLのリースを開始しました。クラリティ FUEL CELLの公式ホームページには「全国メーカー希望小売価格(消費税込み)783万6400円」と明記されています。ですがクラリティFUEL CELL、リース販売専用車。さらに今までは自治体や法人向けのリースが主体で、個人所有は認められていませんでした。
しかし2020年6月に行なわれた仕様変更時に、対象店舗は限られるものの、最長5年間の個人向けリースが解禁となりました。さらに現在、210万円のCEV補助金をはじめ、環境性能割、グリーン化特約、環境性能割、エコカー減税と、「GoTo脱炭素車」キャンペーンによる手厚い補助金がいっぱい。実際月々いくらで借りられるのか、というのは販社によって異なりますゆえ記すことはできませんが、残価設定ローンを組んで5年ごとに乗り換えるのとあまり変わらない感覚でFCVに乗れるようになった、といえるでしょう。
アコードと同程度の大きさのセダン
ボディーサイズは全長4915×全幅1875×全高1480mm。アコードと同じような大きさのDセグメントセダンになります。実際にアコードと並べると、とてもよく似ています。ですが、フロントエアカーテンやリアエアカーテンといった空力デバイスが取り付けられているのは、アコードと異なるところ。中でも、後輪にリアタイヤカバーは、どこか初代インサイトを思い出させます。
リアビューの写真でお分かりのとおり、クラリティ FUEL CELLのリアにマフラーの姿はありません。それゆえにスッキリとした印象。ちなみに化学反応で出た水は、水蒸気として大気へ放出するのではなく、配管を通って水として排出するそうです。
外観ついでにもう一つ。実はクラリティ FUEL CELLの後部側には、CHAdeMO端子が設けられています。充電用に使うの? と思いきやそうではなく給電用。インバーター方式の外部給電器「パワーエクスポーター9000」(別売り)を車両と接続すると、満充填されたクラリティ FUEL CELLから、一般家庭のおよそ7日分の電力を供給できるのだとか。台風被害で停電した際、クルマから電力供給を受けたという報道もありますし、クラリティ FUEL CELLもそういったクルマの1台になります。なるほど、法人とくに自治体にとっては頼もしい機能ですね。
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