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石川温のPCスマホニュース解説 第45回

社長が2段階認証を知らなかった可能性:

セブンペイあきれた危機感のなさ

2019年07月05日 09時00分更新

文● 石川温

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●競合や消費増税で焦ったか?

 今回の騒動を見るに、セブン・ペイとしては相当、焦りがあったではないか。

 本来であればセブン-イレブンなのだから7月11日にサービス開始すればいいものを、7月1日にサービス開始日を持ってきた。これはおそらく、ライバルであるファミリーマートが7月1日に「ファミペイ(FamiPay)」を開始するのを意識したのだろう。

 また、10月には消費増税を控えている。キャッシュバックなどの優遇策が展開されることを考えると、早いタイミングでサービスを開始して、ユーザーを獲得しておきたかったのではないか。

 「焦りがあったのか」という質問に対して幹部は「安全性を確認した上でサービスを開始した。おざなりにはしていない」と語ったが、今後、セキュリティの対策に時間がかかれば、消費増税の10月にすら間に合わない可能性も出てきた。

●スマホ決済早くも正念場か

 昨年のPayPayに続き、QRコード決済の普及に泥を塗ったことになった7pay。この2社による不正アクセス騒動によって、日本のQRコード決済が早くも正念場を迎えてしまったのではないだろうか。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

※お詫びと訂正:初出時、7payにはチャージや支払い時に通知やメールが来る仕組みがないとしていましたが、誤りでした。関係者のみなさまにお詫びするとともに訂正します。(7月5日10時46分)

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