■中位機種拡充、新規参入はあるか
プレミアムクラスのスマホとして最初に思いつくiPhoneについて、ドコモは意外と楽観的です。「iPhoneは愛しておられるユーザーも多く、多少高くても買ってもらえるのではないか」と吉澤社長は予想します。
実際にはiPhone 8のように少し前のモデルが売れており、必ずしも最新モデルが売れるとは限らないものの、iPhoneを指名買いするユーザーは今後も何らかの形でiPhoneを買い続けるでしょう。
一方、大きな変化が予想されるのがAndroidです。
ドコモは4万円以下の中位端末をdocomo withで提供していることを例に挙げ、「ミッドレンジ(中位機種)をさらに拡充し、長く使ってもらえるようにする」(吉澤社長)との方向性を示しました。
SIMフリー市場で3万円前後のスマホが人気を占めているように、スマホを一括で買うのに「4万円以下」は手頃な価格帯といえます。
たとえばソニーモバイルは、海外向けの中位機種としてXperia XAシリーズやXperia Lシリーズを展開しています。これまで日本向けには上位機種ばかりでしたが、今後は中位機種の投入もあり得るのではないでしょうか。
サムスンはすでにdocomo with向けに「Galaxy Feel2」(海外ではGalaxy A8)を発売済みで、海外では幅広い価格帯にラインアップを展開しています。
同じく高コスパ端末を取りそろえるファーウェイは、米中摩擦の行方が気になるものの、ドコモは「現時点では端末の販売を継続する」との姿勢を取っています。

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