DSDやバランス駆動、これでもかの調整機能を盛り込んだ意欲作
驚きのHi-Fi感をぐっと凝縮した、パイオニア U-05を聴く (4/6)
2014年08月03日 12時00分更新
ESSのDACを内蔵、再生ソフトは別途入手が必要
DACはESS Technologyの「ES9016」をデュアルで使用。最近高級AV機器での採用例が増えているESS社のSabre32 ESシリーズは、パイオニアも積極的に採用。「SC-LX87」や「SC-LX77」などの高級AVアンプに搭載している。チップ自体は単体で8ch出力に対応できるが、ステレオ出力モードも持っており、その場合は8つの回路を並列駆動させ、より低ノイズ(高S/N比)の再生が可能になる。
最近では11.2MHz、22.4MHzのDSDに対応した製品などもちらほら見かけるようになってきたが、ハイレゾ配信の主流は24bit/96kHzまたは24bit/192kHzで、一部2.8MHzや5.6MHzのDSDの配信も増えつつあるという状況なので、購入した曲が聴けないということはまずないスペックだ。
PCとUSBで接続する際には、Windows、Macとも専用ドライバーのインストールが必要になる。再生ソフトはパイオニアとしては特に用意していない(本体にも付属しない)。Windowsであれば「Foobar 2000」、Macであれば「Audirvana」など他社のソフトを入手しなければならない。Foobar 2000は高機能な反面、設定が複雑で難しさもあるのでPCオーディオに関するちょっとした知識は必要だろう。例えばDSD(DSF形式のファイル)を再生するためにはプラグインソフトの追加や設定が必要になるし、ASIOやWASAPIといった最低限の知識は必要。中上級者向けと言えるだろう。
とはいえFoobar 2000での再生方法を示したドキュメントも用意されているので、不安になる必要はそれほどない。ただ机上でPCサイドに置くのならともかく、本機をラック置きし、短いオーディオ用USBケーブルとノートをつなぎ、窮屈な姿勢で設定を続けるというのは意外と骨が折れる。将来的にはマニアックに行くが、とりあえずは機器をつないですぐに音を出してみたいという人向けに専用プレーヤーも用意してほしいところだ。
この連載の記事
-
Audio & Visual
第11回 DITA「Answer」は、インイヤーの究極の“答え”となるか -
Audio & Visual
第10回 価格だけでなく音も本当にすごい「Layla」と「Angie」 -
Audio & Visual
第9回 ハイレゾ機の定番、第2世代Astell&Kernを比較試聴 -
Audio & Visual
第9回 本格派USB DACのバランス駆動で、音の世界に浸る -
Audio & Visual
第8回 力感と繊細さを兼ね備えた新進ブランドのイヤフォンを聴く -
Audio & Visual
第7回 驚きのHi-Fi感をぐっと凝縮した、パイオニア U-05を聴く -
Audio & Visual
第6回 真空管のサウンドをポケットに、「Carot One」のポタアンを聴く -
Audio & Visual
第5回 最高のプリメインアンプを求め、LUXMANの試聴室を訪問した -
Audio & Visual
第4回 伝統と革新の両立、DA-06とDA-100が受け継ぐラックストーン -
Audio & Visual
第3回 コンパクトなボディーからあふれ出る上質、ELAC AM50 -
Audio & Visual
第2回 無線ならXeoで決めろ! 狭い我が家で、本物の音を - この連載の一覧へ