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ベース用の極太シールドケーブルと同じ線材

レクスト、極太なヘッドフォン用リケーブル「Z-LNC01W-P」を発表

2016年05月18日 16時44分更新

文● 編集●ASCII

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 レクストは5月18日、イヤフォン・ヘッドフォン向けの交換用ケーブル「Z-LNC01W-P」シリーズを発表した。オーディオ用のラインケーブル、楽器用のシールドケーブルと同種の線材を使用し、スタジオの音をそのまま楽しめるようにするというのがコンセプト。

 ジャズアルバム「SPARK/上原ひろみ」でベーシストのアンソニー・ジャクソン氏が使ったシールドケーブルと同じ線材(Z-LNC01W)を採用。これにイヤフォン・ヘッドフォンを接続するための、端子(ShureのMMCXやAKGのミニキャノンプラグなど)を付けている。MMCX仕様のケーブルでも重量は約138gあり、Shure SE215付属のケーブル(約25g)に対しておよそ5.5倍の重量とのこと。

 なお、楽器用とオーディオ用の線材自体は同じだが、製品として出荷する過程で異なる調整を加えているとのこと。ノウハウのため、詳しくは企業秘密だが、楽器用が低域の太さなどを重視しているのに対して、ヘッドフォン用ではよりワイドレンジな再生ができるようにしているそうだ。位相の再現性などに差があるという。

 導体は日立金属のHiFC。コネクターは、φ6.3mm標準プラグが自社製、φ3.5mmミニプラグがアンフェノール製プラグに自社製プラグキャップをかぶせたもの、ミニキャノンがSWITCHCRAFTのコネクターに自社製の真鍮削り出しキャップを追加したものとなる。金属パーツやはんだ付けなど、製造工程の多くを国内で担当。Made in Japanのリケーブルとしている。

 直販およびe☆イヤホン限定で展開。価格はφ3.5mmミニプラグ/MMCX/1.6m、φ3.5mmミニプラグ/ミニキャノン/1.6mで1万6632円。φ6.3mm標準プラグ/ミニキャノン/3.0mで1万8252円。発売は5月末を予定している。

マスタリングの現場も垣間見せてくれた発表会

 なお発表に先立って、レクストの西野正和社長が持ち込んだ音源を都内のスタジオでマスタリングして、その音源を参加者に配布。Z-LNC01W-Pを使って試聴できるというイベントも実施された。

スタジオの様子。

 西野さんは2012年に『すぐできる! 新・最高音質セッティング術』を執筆した際、付録のCD向けに96kHz/24bitの音源(低音 Played by D&B feat.EV)を収録した。これを2016年の機材や環境を使い、現代のハイレゾ音源(96kHz/24bit)として完成させるとしたらどうなるかという試みだ。

 マスタリング作業は、多くの著名アーティストの作品を手掛けるマスタリングエンジニア小泉由香さんが担当した。西野さんは、まず最初に、最新の高音質ハイレゾ作品から、自分のイメージに近い2曲を提示した。ハイレゾの魅力の一つはスケール感としたうえで、「でっかいテレビに買い替えたような感激がほしい。2016リマスターの突破口にしたいですね」とコメントした。

スタジオ。レコーダーで再生した音源をレクストのコンバーターを介して、スチューダーのオープンリールデッキのアンプに通す。EQなどの処理を施したうえで、Pyramixへ。
マスタリングエンジニアの小泉由香さん。

 理想とした音源を聴くと、確かに音の奥行き感が優れていた。また、無音から最大音へのダイナミクスが大きく、ハイハットなどはキリリと鋭い。ドラムの立ち上がりは転がるように小気味よく、粒がそろっており、バスドラムの音には深さもある。確かに非常に音がいいと思える音源だ。

 この要望に応えるべく小泉さんが作業を開始。最初に一発録音で収録したマスターを聴き、次にこれを流しながらEQ調整を加えていくとみるみる音が変わっていく。マスターの音源は、シンプルに言うと、癖がなくストレートだが、言ってしまえば味気なくもあり、何物にもなれていない音である。これに調整が加わっていくにつれて、音に意図や特徴が載ってくる。そして作品としての目標が明確に見えてきた。この変化の過程が面白かった。

EQ調整用の機材。中央の緑色のボタンをオン・オフしながら、EQをかける、かけないの切り替えをリアルタイムに確認し、作業を進める。
ほぼEQ調整だけだが、見違えるように音が変わっていった。

 音源は金子飛鳥さんのElectric Violin、川崎哲平さんのBass、石川雅春さんのDrumsによるトリオ。収録の現場に立ち会った西野さんの説明では「低域にすごく寄ったバランスであり、収録の現場ではバイオリンとベースが対決するような緊張感を体験した」。ハイレゾ版ではその空気も表現したいとのことだった。

 調整した結果を聴きながら「スタジオの中で飽和するぐらい低域に寄ったバランスで」「バスドラムの風圧感がもっと出るといい」「ハイハットをさらに前に出したら、中抜けになってしまう?」といった意見を投げかける。その意見を聴き、小泉さんが再度作業。……こうしたやり取りを2~3度繰り返したのち、1時間足らずでマスタリング作業が終了した。

 マスタリングに際して、今回実施した内容はEQ調整と左右のレベル合わせ(2種類の正弦波を左右チャンネルで再生して音量を合わせる)のみで、コンプレッサーなどは入れていない。さらに最後のレベル調整以外は、波形は見ず、ほぼ耳だけで聴きながら、EQのつまみを手動で合わせるというものだった。それでピタリと要求に合った音を作り出す、小泉さんのスキルにも驚く。

 作業前と作業後の音を比較すると、バイオリンの音は埋もれず素直に前に出てきつつも、ベースやドラムスの量感を表現。そしてリバーブの効果を足したのではないかと思えるほど、空間の奥行き感が増していった。

 作業後、小泉さんに質問すると、低音は土台であり、ここの調整で音源が表現する空間の広さが決まると答えてくれた。言い換えるなら、西野さんの要求はこの空間を破たんなくギリギリまで広げたいというものだった。

マスタリングした音源は96kHz/24bitの品質でまずPyramixのフォーマットに保存し、それを改めてWAVに変換する。

 西野さんの話では、この音源をe-onkyo musicで配信することも計画しているとのこと。実は2012年の時点で、低音 played by D&B feat. EVのマスター音源は配信されている。それと聴き比べてみても面白いかもしれない。

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