DSDやバランス駆動、これでもかの調整機能を盛り込んだ意欲作
驚きのHi-Fi感をぐっと凝縮した、パイオニア U-05を聴く (3/6)
2014年08月03日 12時00分更新
男心をくすぐる外観、コンパクトながらずっしりと重い
存在感のある外観だが、本体は幅296×奥行き271×高さ101mmとコンパクト。一方重量は6.3kgある。PCとともに机上に置いても、それほど邪魔にならないコンパクトな本体でありながら、手に持つとずっしりとした重みがある。
上部や側面にネジ穴がない高品位なアルミ合金製のケースは、凹型の天板・側板に、L字型のフロント・底部を組み合わせた構造。大型の端子やたくさんのつまみを備えた外観もオーディオ機器として高品位だ。低重心設計のしっかりとしたシャーシに厳選したパーツを盛り込んでいる。フットもしっかりとしていて、インシュレーターを手前に2組、奥に3組配置する。基本的には3点支持だが、これだと机の上などで触れると左右にガタが出たりするので、右奥・左奥の脚でサポートする仕組みだ。ガラスラックに置くと脚部のゴム素材がぴったりと密着し、振動を極限まで排除した再生ができるのではないかという期待感が高まる。
前面には、最も大きなメインボリューム調整用のつまみのほかに、2段階のゲイン調整を切り替えられるスイッチ(PHONES GAIN)や、メインボリュームよりさらに細かな音量調整をするためのつまみ(FINE ADJUST)も用意されている。ヘッドフォン出力は、一般的な6.3mmステレオ標準プラグに加えて、バランス駆動用の端子(XLR3とXLR4の2系統)がある。これらはOUTPUTスイッチで切り替える仕様で2台以上のヘッドフォンを同時に鳴らすことはできない。
フロントディスプレーは、文字が大きく明るいため、多少離れた場所からでも見やすい。ここには入力ソースや音源の品質(種類、サンプリングレート、ビット数など)を表示でき、オーディオスケーラーやロックレンジアジャストなどを使用している際には青色のLEDが点灯する。ひと目で機器の状態が分かる。
背面に目を向けるとPCと接続するためのUSB入力端子に加えて、各種プレーヤーと接続するための光/同軸デジタル入力端子(それぞれ2系統)が目に入る。
本機はヘッドフォンでの再生だけでなく、単品のアンプやスピーカーと組み合わせた利用も可能。そのためのアナログ出力は一般的なアンバランス接続(RCA)に加えて、高級機ならではのバランス接続(XLR)も可能だ。
XLR端子は2番ホットだが、位相反転スイッチで3番ホットにも切り替えられる。さらに固定/可変の設定が切り替えられるので、小型のパワーアンプを追加するだけで、シンプルで完結したHi-Fiシステムを構築できる。例えば筆者が所有しているJeff Rowlandの「MODEL 102」はICEPower搭載のコンパクトなパワーアンプだが、これとU-05を組み合わせれば、大型のスピーカーでも悠々とならせるシステムが、幅30cm程度の小さなハーフサイズコンポ用ラックに収まってしまう。
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