特徴あるデザイン、そして艶やかで包み込まれるサウンド
真空管のサウンドをポケットに、「Carot One」のポタアンを聴く (1/3)
2014年07月09日 17時00分更新
ポップな真空管ポタアンで、音の世界に浸りたい
スマートフォンや携帯音楽プレーヤーの音質を手軽に改善したい。その際に効果的にアイテムとして、真っ先に思いつくのがポータブルアンプだ。マニアの間では「ポタアン」などと呼ばれており、おなじみのアイテムだ。
外出先に持ち運ぶ、スマートフォンやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)は、消費電力などの関係で、アンプの出力が制限されがちだ。このため100Ωを超すような高インピーダンスのヘッドフォンで音量がとりにくかったり、一般的な製品で低域の周波数特性が落ち込むといった制限が出ることも多い。ポータブルアンプを別途追加すれば、こういった課題が改善され、ヘッドフォン本来の性能を引き出すことができる。
市場には数千円程度の安価な製品から10万円を超すハイエンド機まで豊富な選択肢がある。これは音質のよさはもちろんだが、個性的なデザインやその機器ならではの味にこだわりたい考える人にとって喜ばしい状況だ。ここで紹介する「Carot One」はイタリアのブランドで、昨年登場した「NIK58-TUBE」は、TUBEという単語から分かるように、真空管を内蔵したポータブルアンプになる。
Carot Oneの製品は、小型ながら本格的なスピーカーの駆動も可能な、真空管を活用した据え置き型ヘッドフォンアンプがラインアップの中心だ。Carot=にんじんという言葉が象徴するように、いずれもオレンジを基調としたカラーリングの楽しさも特徴となる。NIK58-TUBEもそのブランドイメージを踏襲しつつ、特徴あるデザインと、真空管ならではの透明感あふれるサウンドをウリとしている。

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