「Windows 8」時代ならではの新たなPC
「Windows 8」の発売までいよいよ50日を切った。
日本マイクロソフトでは、10月26日のWindows 8発売以降、量販店店頭でどんな売り場作りを行なうのかといったことが本格的に議論され始めた。一方、量販店の売り場担当者に対するWindows 8に関する教育も、全国規模で推進されている段階だ。
業界関係者によると、9月下旬から一部メーカーにおいて、Windows 8を搭載した新製品の国内発表が見込まれており、そうした動きからも、Windows 8の発売が直前であることを感じとれるだろう。
実際、8月末から独ベルリンで開催された家電見本市「IFA 2012」では、東芝、ソニー、富士通といった国内のPCメーカーがWindows 8を搭載した製品を展示。デルやエイサー、サムスンといった外資系企業も、Windows 8を搭載した新製品を相次いで展示。会場はWindows 8一色の様相を呈した。
各社に共通しているのは、Windows 8の大きな特徴のひとつであるタッチ機能にフォーカスした製品が多いことだ。オールインワン型のデスクトップPCや一部のノートPCでは、大画面を利用して、10本指でのタッチを可能とする製品を用意。またノートPCでは、タッチ機能をより快適に利用するために、ディスプレー部をスライドさせたり、取り外したりすることで、タブレット端末として独立した利用が可能な製品が相次いでおり、Windows 8時代ならではの新たなPCの形状を感じることができた。
グローバルで一元的な施策を立案/実行
だが、一部の業界関係者の間では、従来のWindows製品に比べて、発売前に得られるマーケティング情報が少ないとの指摘もあるのも確かだ。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、東京・芝公園のザ・プリンス パークタワー東京において開催された「マイクロソフト ジャパンパートナーコンファレンス2012」の基調講演において、「Windows 8に関する情報については、グローバルで一元的な施策を立案/実行を行なっているため、これまで通りには情報が出てこないとの指摘もある。これは競合戦略上のものであり、その点を理解してもらいたい」と呼びかける一幕もあった。
実際、10月26日の発売イベントは、米国本社主導で実行されることになっており、これまでのWindowsの発売時にみられていたような日本独自のイベントというわけではない。そのため、量販店などにも情報が伝わりにくいというのも事実のようだ。
過去最大規模の広告投資を行なうWindows 8
その一方で樋口社長は、同講演でWindows 8への広告投資が過去最大規模になる点にも触れた。「広告投資額は、Windows 95を上回るものになる。テレビCMは、かなり長期間に渡って流すことになる」と語りながら、「いい商品を、自信をもって出すことになる。そして、相当数の広告量によって広く告知することになる。市場はおのずと盛り上がるだろう。そのモメンタムをパートナーと一緒に、ビジネスの成果へとつなげていきたい」とする。

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