第1走者、New Cloud OS「Windows Server 2012」
日本マイクロソフトでは、社内で3大製品という言い方をしている。
それは、Windows 8、次期Office、そしてWindows Server 2012である。
発売順としては、9月1日からライセンス出荷、9月26日からパッケージ販売を開始するWindows Server 2012が最初の製品となる。
日本マイクロソフト 執行役 マーケティング&オペレーションズ ゼネラルマネージャーのマイケル・ビール氏は、「日本マイクロソフトは、リレーを行なっているのと同じである」と表現し、「まずは第1走者であるWindows Server 2012の成功が重要である」と続ける。
Windows Server 2012は、従来のWindows Server 2008 R2に比べて、180以上の新機能の実装および機能強化を行なっており、「クラウド時代に最適化したサーバーOSである」とコメント。これを「New Cloud OS」と位置付ける。
「Windows Server 2012には、前年比2倍のマーケティング費用を投資する。これは過去最大の投資になる」と、日本マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部の梅田成二本部長は語る。
同社の試算によると、日本には220万台のサーバーが稼働しており、マイクロソフトのシェアは73.7%。また、そのうち45.6%が、2010年でメインストリームサポートが切れているWindows Server 2003だという。
「こうした塩漬けにされているサーバーを置き換えることも大きな挑戦。まずは国内では74万台のマイグレーション機会が見込まれる」(日本マイクロソフトの梅田本部長)と目論む。
パートナーとの協業体制を強化、
大きなビジネスチャンスとしても支援
サーバー市場でもマイクロソフトは高いシェアを誇るものの、実は、「先進国市場において、日本はServer製品の売り上げが少ない。この分野での売り上げを拡大させることに力を注ぐ必要がある」(日本マイクロソフト 執行役ゼネラルビジネス担当の高橋明宏ゼネラルマネージャー)という。
そこで、Windows Server 2012では、同社テクノロジーセンターでの評価検証支援のほか、Windows Server DataCenter Editionに対する新規インセンティブ制度や、12万8000円をファンドとしてパートナーに提供する仮想化導入計画サービスなどを開始。さらに、パートナー向けに提供するトレーニング/セミナー「mstep」や「Disti Boot Camp」を通じて、のべ5万人のパートナー企業に対するトレーニングを実施するなどの取り組みによって、パートナーとの協業体制を強化。販売拡大に向けた体制作りにも余念がない。
「Windows Server 2012を皮切りとした3つの大型製品の投入に合わせて、市場に対する需要喚起策や、パートナーに対する技術支援および販売支援体制を整えていく。同時に、パートナーが持つコンサルテーション、移行、開発、サポートなどのノウハウを組み合わせることで、過去最大の新製品発売を大きなビジネスチャンスにしてもらいたい」(日本マイクロソフト 業務執行役員パートナーソリューション営業統括本部統括本部長兼パートナー戦略統括本部長の佐藤恭平氏)と、パートナー向け戦略の基本姿勢を示す。
第1走者のWindows Server 2012から全速力でのスタートとなる日本マイクロソフト。これを第2走者のWindows 8、第3走者の新たなOffice製品へと、バトンを渡すように盛り上げていくことができるか。
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