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最新パーツ性能チェック 第129回

お手頃価格の新GPU「GeForce GTX 660」は性能もお得なのか?

2012年09月13日 22時01分更新

文● 加藤 勝明

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 2012年9月13日、NVIDIAはKepler世代の新ミドルクラスGPU「GeForce GTX660」(以下、GTX660)および「GeForce GTX 650」を正式に発表した。

GeFoece GTX 660搭載のMSI製ビデオカード「N660GTX Twin Frozr III OC」。コアクロックは1033MHzにオーバークロックされている。想定売価は2万4800円

GeFoece GTX 650搭載のMSI製ビデオカード「N650GTX TransThermal PE OC」。コアクロックは1124MHzにオーバークロックされている。想定売価は1万3800円

 先月発表された「GeForce GTX 660 Ti」(以下、GTX660Ti)は、“ほぼGeForce GTX 670”のようなスペックだったために初値は3万円以上の高価な製品になっていたが、今回のGTX660は初値で2万円前半が主戦場になりそうな正真正銘の“手が出しやすい”ミドルクラスになりそうだ。
 今回はMSI製のオーバークロックモデル「N660GTX Twin Frozr III OC」を入手。GeForce GTX 680の登場以降、“Kepler無双”状態が続いていたが、それはミドルクラスでも通用するのか検証してみたい。

補助電源は待望の6ピン×1で動作!

 GTX660の最大のポイントは、補助電源コネクターが6ピン1系統だけで済むという点だろう。公式発表されたスペックを見ると、TDPはわずか127W。6ピン1系統だけで動作するGPUとしては最も新しいRadeon HD 7850(以下、HD7850)をわずかに下回ってきた点が面白い。

GPU比較
GPU GeForce GTX 660 GeForce GTX 650 GeForce GTX 660 Ti GeForce GTX 560 Ti Radeon HD 7850
ストリーミング
プロセッサー数
960基 384基 1344基 384基 1024基
コアクロック 980MHz 1058MHz 915MHz 822MHz 860MHz
ブーストクロック 1033MHz - 980MHz - -
メモリー転送レート(相当) 6GHz 5GHz 6GHz 4GHz 4.8GHz
メモリー種別 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリー容量 2GB 1GB 2GB 1GB 2GB
メモリーバス幅 192bit 128bit 192bit 128bit 256bit
PCIe電源タイプ 6ピン×1 6ピン×1 6ピン×2 6ピン×2 8ピン×1
消費電力 140W 64W 165W 170W 130W

 SP(CUDAコア)の総数は960基なので、192基のCUDAコアを内包するブロック(SMX)は、GTX660Tiの7基から5基に減らされていることになる。ただメモリーコントローラーの数はGTX660Tiと変わらず、さらにメモリーの駆動クロックも同じ、という点がGTX660の見どころだろう。
 また、コアのベースクロックはSP数の減少を補填するように980MHzと高めに設定されているが、今回もOC済みの製品が多くリリースされ、ベースが1GHzを超える製品も出回りそうだ。

「GPU-Z」で今回入手した「N660GTX Twin Frozr III OC」の情報をチェック。メモリーのバス幅やクロック、ROP数はGTX660Tiと同じに設定されている

MSI自慢の「Twin Frozr III」クーラー。ファンの動作音は非常に小さく、ゲーム中でもファンノイズは39dBA(CPUクーラーのファンノイズも含む。暗騒音は35dBA)と非常に小さい。全速でファンを逆回転させることで埃を取り払うダストリムーバル機能を搭載していないため、起動直後もかなり静かだ

「N660GTX Twin Frozr III OC」のカード長は221mm(実測)。リファレンスではGTX660Tiと同様ショート基板仕様になりそうだが、大型のクーラーに合わせ基板を延長し、そこに電源まわりの回路をゆったりと組み込んだ設計になっている

補助電源は待望の6ピン×1。今の電源ユニットならまだしも、2~3年位前の電源だと6ピン1系統だけというものも珍しくない。古いPCのパワーアップ用としても、GTX660は重宝しそうだ

出力端子はDVI×2、DisplayPort、HDMIという標準的な構成だ

GTX660は2種類あった!

 さて、前回GTX660Tiのレビューを行なった際、日本エイサー製「AG3620-H76F/GL」に搭載されたGPUの情報をお見せした。搭載GPUはGTX660となっているが、今回正式発表されたGTX660のスペックとは異なる仕様になっていることに気がついた。同PC用のOEM向けGTX660はSP数が1152個と多いが、その分コア/メモリークロックは控えめになっている。
 同じGTX660でも、OEM向けのものは違う仕様になっているだけのようだが、もしかすると将来的に“GTX660/1152SP”的な派生製品が誕生する可能性も考えられそうだ。

今回入手したGTX660(写真左)と、「AG3620-H76F/GL」に搭載されたGTX660(らしきGPU)の比較。SP数が増えている割に、コアのベースクロックがかなり遅めに設定されていることがわかる。OEM出荷用はSMX6基仕様だが高クロック動作でハネられた品なのか、それとも最初から低クロック仕様として設計された品なのかは不明だ

(次ページへ続く)

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