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最新パーツ性能チェック 第123回

AMDが「Radeon HD 7870/7850」を発表 市場を制するか?

2012年03月05日 14時01分更新

文● 宇野 貴教

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 AMDは日本時間2012年3月5日、Radeon HD 7000シリーズの新モデル「Radeon HD 7850」と「Radeon HD 7870 GHz Edition」(以下、Radeon HD 7870)を発表した。

Radeon HD 7000シリーズの新モデル「Radeon HD 7850」

「Radeon HD 7870 GHz Edition」

 型番からもわかるように、Radeon HD 6800シリーズを置き換えるハイミドルレンジ帯に位置するGPUである。搭載製品の具体的な価格や発売日はアナウンスされていないが、AMDの資料によると$200~400で3月中に発売の予定なので、詳細は近日中に明らかになると思われる。

Radeon HD 7950とHD 7770の間を埋めるスペック

 Radeon HD 7850とRadeon HD 7870の基本仕様は、既にリリースされている「Radeon HD 7970」などと同じ。製造プロセスは28nmで、コアアーキテクチャーに「Graphic Core Next」(以下GCN)を採用し、PCI Express 3.0対応、DirectX11.1対応など基本スペックは共通だ。GCNについては「28nmの新設計GPU『Radeon HD 7970』は頂点に立つのか?」で詳しく解説しているので、そちらを参照してほしい。

GCNのStream Processorは、Radeon HD 6900で採用されたVLIWと同じもの。ただし、Radeon Coreやその他ユニットの組み合わせを見直すことでスループットを引き上げている

 内部仕様を見てみると、GPU性能の大きな指標となるシェーダープロセッサー数と動作クロックがRadeon HD 7850が1024基で860MHz、Radeon HD 7870は1280基で1GHzとなっており、その他メモリークロックなどの仕様は両者同一で搭載メモリーサイズは2GBとなる。スペック的にはリリース済みの「Radeon HD 7950」と「Radeon HD 7770」のすき間を埋めており、これでRadeon HD 7970からRadeon HD 7750までほぼ等間隔で製品が並ぶかたちになったと言えるだろう。

新旧GPU比較
GPU Radeon HD 7870 Radeon HD 7850 Radeon HD 6870 Radeon HD 6850
製造プロセス 28nm 28nm 40nm 40nm
トランジスタ数 28億個 28億個 17億個 17億個
ストリーミング
プロセッサー数
1280基 1024基 1120基 960基
テクスチャー
ユニット数
80基 64基 56基 48基
ROPユニット数 32基 32基 32基 32基
コアクロック 1000MHz 860MHz 900MHz 900MHz
メモリー転送レート(相当) 4.8GHz 4.8GHz 4.2GHz 4GHz
メモリー種別 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリー容量 2GB 2GB 1GB 1GB
メモリーバス幅 256bit 256bit 256bit 256bit
PCIe電源タイプ 6ピン×2 6ピン×1 6ピン×2 6ピン×1
消費電力 175W 130W 151W 127W

Radeon HD 7870のブロック図。20基の「GCN Compute Unit」を搭載し、Rdeon HD 6970と比較して425%の高速化を実現している

各ビデオカードのスペック
  Radeon HD 7970 Radeon HD 7950 Radeon HD 7770 Radeon HD 7750 GeForce GTX 560Ti
製造プロセス 28nm 28nm 28nm 28nm 40nm
ストリーミング
プロセッサー数
2048基 1792基 640基 512基 384基
ROPユニット数 32基 32基 16基 16基 32基
コアクロック 925MHz 800MHz 1GHz 800MHz 822MHz
メモリー転送レート(相当) 5.5GHz 5.0GHz 4.5GHz 4.5GHz 3.7GHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリー容量 3GB 3GB 1GB 1GB 1GB
メモリーバス幅 384bit 384bit 128bit 128bit 256bit
消費電力 250W 200W 80W 55W 170W
PCIe電源タイプ 8+6ピン 6ピン×2 6ピン なし 6ピン×2

Radeon HD 7850は補助電源1個

 消費電力と必要なPCI Express補助電源は、Radeon HD 7850が130Wで6ピン×1、Radeon HD 7870が175Wで6ピン×2である。Radeon HD 7850の6ピン×1は、消費電力や発熱を抑えたいというユーザーにはなかなか魅力的だ。パフォーマンス重視派はやはりRadeon HD 7870に注目するため、うまく差別化ができていると言えるだろう。

Radeon HD 7850の補助電源は6ピン×1

Radeon HD 7870の補助電源は6ピン×2

出力はRadeon HD 7850/Radeon HD 7870共通で、DVI-I×1、HDMI×1、Mini DisplayPort×2となる

 省電力機能は、これまでのRadeon HD 7000シリーズ同様に「AMD Power Tune Technology」を搭載し、きめ細かなクロック制御のほか、ディスプレーの電源オフ時は待機電力を3W以下に抑える。常時PCの電源をオンにするようなユーザーにとっては非常にありがたい。

電力管理機能の「AMD Power Tune Technology」を搭載。細かく動作クロックを変更でき、カードの限界まで電力を消費して性能向上に振り向けることも可能だ

アイドル時の待機電力を3W以下に抑える「AMD ZeroCore Power Technology」

※お詫びと訂正:記事初出時、スペック表に誤りがありました。正しいスペックに修正するとともにお詫びいたします。

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