鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第14回
高音質と設置性のために、ワンボディを捨てた!?
驚きの進化! リアルなサラウンドが楽しめる「YSP-2200」
2010年09月01日 13時00分更新
ヤマハの「YSPシリーズ」と言えば、ワンボディで完結するフロントサラウンドタイプのホームシアターシステムながら、独自の「デジタル・サウンド・プロジェクター」方式を採用することで、室内の壁の反射を利用してリアルに後方チャンネルの音を再現できる画期的なモデル。
惜しむらくは価格がやや高めな点で、HDオーディオに対応した7.1ch再生モデルの「YSP-4100」が実売でおよそ14万円、上級機の「YSP-5100」はおよそ20万円となっている。
ここにようやく待望の弟モデルが10月(予定)に発売される。製品名は「YSP-2200」で、予想される実売価格はおよそ9万円。
当然ながら、7.1ch再生を可能にする「5ビーム+2」モードを採用し、ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオにも対応するなど、上級機の主な特徴を継承。さらには、3D信号のパススルー伝送に対応し、HDMIケーブル1本だけでテレビへの映像伝送と、テレビチューナーのデジタル音声出力が行なえる「ARC」(オーディオリターンチャンネル)にも対応するなど、最新機能もしっかり盛り込まれている。
個人的にもかなり楽しみなモデルで、早速実機を触ってみた。が、製品を見てびっくり!! 「あれ? ワンボディじゃないよ」。YSP-2200はバータイプの薄型スピーカーと別体サブウーファーによる2ボディ構成となっていた。もちろん、デザインもまったくの別物。これは意外だった。
バータイプスピーカー+サブウーファーの構成でも設置性はむしろ向上
バータイプスピーカー+サブウーファーという構成は、最近各社から登場してきており、接続などもそれほど面倒ではないが、ワンボディでテレビやBDレコなどと接続するだけで使える従来の簡単さを捨ててしまったのは少々残念に感じた。
この理由について同社は「高音質と設置性の向上のため」だという。まず、従来のYSPシリーズはワンボディが魅力ではあるのだが、内蔵したウーファーが重低音再生という点ではやや物足りず、重低音を求めると結局サブウーファーを追加することになるという不満があった。
専用の別体サブウーファーを追加すれば、この問題は解決できる。しかも専用設計のサブウーファーなので、クロスオーバーの調整などの設定も不要だし、開発段階でメインスピーカーとの音色の統一やベストなクロスオーバー設定なども行なえるメリットがある。
つぎに、バータイプスタイルとしたことで、薄型テレビの手前のスペースに置くだけの設置性の良さを実現できること。YSP-4100などは、薄型デザインなのでテレビの手前に置くこともできるのだが、背が高いので、画面の下の方が隠れて見えなくなってしまうこともあり、結局YSP-4100が収納できるラックを別途購入したり、ラック一体型の「YSP-LC4100」を選ぶ必要があったりした。
YSP-2200はサブウーファーの追加も不要、AVラックをすでに持っているならこちらも追加不要で、音質面、設置性の不満を解消してしまったというわけだ。しかもお財布にも優しい。
接続という意味では、ひと手間増えているわけだが、こちらもしっかり工夫されていて、なんとアンプ部やコントロール部などはバータイプスピーカーの方に内蔵している。そのため、テレビやBDレコなどとの接続はスピーカーの方だけで行なえる。サブウーファーはパッシブ型なので、スピーカーケーブル1組を接続するだけでOKという簡単さ。
電源が必要ないので、置き場所の自由度もさらに高まる。簡単接続にこだわれば、同社でも採用しているワイヤレスサブウーファーという選択もあっただろうが、その場合、サブウーファーが電源を必要とするアクティブ型になるため、コンセントが2口必要となる。
接続をシンプルにするという点では抜本的な解決になりにくい、結果として、2ボディでも配線の引き回しなどを含めて、可能な限りシンプルに行なえるような構成となっているのだ。

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