先週の記事では、テレビの買い換えと一緒に検討できるエントリークラスのホームシアターシステム「YHT-S400」を紹介したが、今回はさらに本格派のモデルを取り上げる。ヤマハが11月5日に発売する「YSP-4100」(予想実売価格16万円前後)だ。
仮想サラウンド技術では、前方スピーカーだけでサラウンド音場を再現するため、実際に後方にスピーカーを置いた5.1ch環境と比べると真後ろの音の再現は感じにくいのだが、同社が「YSPシリーズ」で採用した「デジタルサウンドプロジェクター」技術はそれらとは一線を画する。
これは、本体内部に多くの小型スピーカーを内蔵し、それらを細かく制御することで、各チャンネルの音をビーム状の音波として放射する。放射された音は壁の反射を利用して耳に届くため、かなりリアルな後方の音の定位を実現できるのだ。
そのYSPシリーズの最新モデルがYSP-4100だ。このモデルは、シリーズで初めて7.1ch再生に対応する「5ビーム+2」を採用。「ドルビー TrueHD」や「DTS-HD Master Audio」のHDオーディオ用デコーダーも内蔵しており、Blu-ray Discソフトのサラウンド音声を7.1chで楽しめる。
ワンボディなので設置は超カンタン
実際に設置してみると、横幅が37V型の薄型テレビに比べてかなりサイズは大きく、50V型の薄型テレビとほぼ同じだった。ラックに収納して使いたい場合は、横幅が収まるラックを探す必要がある。あるいは、本機を専用のラックに収めた「YSP-LC4100」(実売価格19万8000円前後)を選ぶといいだろう。
接続自体は極めて簡単だ。なにしろボディが1つしかないので、アンプとスピーカーの配線などは一切不要。テレビやレコーダーなどとHDMIケーブルで接続するだけだ。この手軽さもYSPシリーズの人気の理由だ。
この後は、部屋の環境に合わせて音のビームの放射を最適化する「インテリビーム」で調整を行なえば準備は完了。調整といっても、YSP付属のマイクを接続してリモコンの「インテリビーム」ボタンを押せば、あとは自動で調整が行なわれる(こだわりの調整方法は後述)。調整も数分程度でほとんど時間はかからない。
