AMDは、45nmプロセス製造でSocketAM3に対応する5種類の新CPUをリリースした。その内訳はPhenom IIが2つ、Athlon IIが3つ。Phenom IIは4コア低消費電力モデルと2コアモデル、Athlon IIは2/3/4コアそれぞれ1モデルずつが投入され、いずれも従来ラインナップの最上位モデルから動作クロックが0.1GHz前後引き上げられている。
モデルナンバーや動作クロック、TDP、発売日などの詳細は下の表で確認して欲しい。今回の新CPU群を見ると、Phenom II X4の最上位とAthlon IIの低消費電力版を除いたモデルにおいて満遍なくスペックアップが行なわれたことになる。ユーザーの利用目的や投入コストに合わせて、2~4コアの幅広いCPUをリリースするAMDらしさがよく出たラインナップと言えるだろう。
CPUスペック表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
Phenom II X4 910e | Phenom II X2 555BE | Athlon II X4 635 | Athlon II X3 440 | Athlon II X2 255 | |
開発コード | Deneb | Callisto | Propus | Rana | Regor |
コア数 | 4 | 2 | 4 | 3 | 2 |
動作クロック | 2.6GHz | 3.2GHz | 2.9GHz | 3GHz | 3.1GHz |
L2キャッシュ | 512KB×4 | 512KB×2 | 512KB×4 | 512KB×3 | 1MB×2 |
L3キャッシュ | 6MB | 6MB | - | - | - |
TDP | 65W | 80W | 95W | 95W | 65W |
まずはCPU-Zで各CPUを見てみよう。動作電圧は、低消費電力版となるPhenom II X4 910eが約1.15V、その他は1.3~1.4Vとなっており、このあたりに大きな変更点は見られない。気になったのはPhenom IIの2モデルはリビジョンがC3ステッピング、Athlon IIの3モデルはC2ステッピングになっていることだ。C3ステッピングの製品は'09年末から見かけるようになっていたが、従来のC2ステッピングの製品と混在して販売されていた。ユーザーにとっては新しいほうが欲しいが、ショップがC2かC3かをアナウンスしていないと、買ってみるまではわからないという状況であった。今回の新Phenom IIがすべてC3ステッピングで統一されているならば、安心して購入できるようになるだろう。
ベンチマーク環境
それでは各種ベンチマークを計測してみよう。今回は比較CPUとして、Phenom II最上位モデルとなる「Phenom II X4 965BE(4コア、3.4GHz動作)」と、そのほかに「Athlon X4 630(4コア、2.8GHz動作)」「Phenom II X4 905e(4コア、2.5GHz動作)」、「Phenom II X3 705e(3コア、2.5GHz動作)」の合計4つのCPUを用いている。
テスト環境 | |||
---|---|---|---|
CPU | Phenom II X4 910e Phenom II X2 555BE Athlon II X4 635 Athlon II X3 440 Athlon II X2 255 Phenom II X4 965BE Athlon X4 630 Phenom II X4 905e Phenom II X3 705e |
||
マザーボード | ASUSTeK「M4A785TD-M EVO」(AMD 785G) | ||
メモリー | DDR3-1066 2GB×2 | ||
HDD | Seagate「ST3160812AS」(160GB) | ||
OS | Windows 7 Ultimate(32bit) |
※お詫びと訂正:記事初出時「Phenom II X2 555BE」と「Athlon II X2 255」のスペック表記に一部誤りがありました。正しい表記に訂正してお詫びいたします。(2010年1月31日)
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? - この連載の一覧へ