AMDはSocket AM3に対応するクアッドコアCPU「Athlon II X4 620」と「Athlon II X4 630」を2009年9月16日に発表した。これまでのAMDのクアッドコアCPUは、いずれも「Phenom」「Phenom II」のブランド名が付けられていたが、今回発表されたCPUは「Athlon」ブランドであり、AMDのクアッドコアCPUのエントリモデルに位置する、コストパフォーマンスを重視したモデルとなる。
スペックは「Athlon II X4 620」が動作クロック2.6GHz、「Athlon II X4 630」が動作クロック2.8GHzで、いずれも45nmSOIプロセス製造のPropusコア、L2キャッシュ512KB×4、TDP95Wとなっている。Phenom IIシリーズとの最大の違いは、共有L3キャッシュが搭載されていないことだ。そのため、同クロックのPhenom IIシリーズと比較するとパフォーマンスは落ちることになる。
そのかわり、コストパフォーマンスはバツグンで、「Athlon II X4 620」の実売価格は1万700円前後となっている(関連記事)。「Athlon II X4 620」と同クロックでL3キャッシュ有りの「Phenom II X4 810(L3キャッシュ4MB)の実売価格が約1万5000円なので、L3キャッシュがないかわりに30%も安く買えるというわけだ。クアッドコアCPUはIntel製でいちばん安い「Core 2 Quad Q8400」が約1万8000円なので、動作クロック数もまずまずな「Athlon II X4 620」の価格設定はかなり挑戦的と言えるだろう。L3キャッシュがない以外のスペックに関しては、Phenom IIで採用されているDenebコアとほぼ同一仕様で、メモリコントローラ周りやL2キャッシュの容量などはまったく同じである。
なお、現在出荷されているAthlon II X4シリーズは、PropusコアとL3キャッシュを無効にしたDenebコアの両方が存在しているとアナウンスされている。AMDによればDenebコアでもL3キャッシュは有効にできないとのことだ。
ベンチマーク環境
それではベンチマークの環境を紹介していこう。今回はグラフィックに手元にあったRadeon HD 3870搭載カードを使用している。これは比較対象にCore 2 Quad Q9550を使用しているため、グラフィック周りの仕様を合わせるためである。同様にOSもWindows 7(RTM)ではなく、Windows Vistaで検証している。
| テスト環境 | |||
|---|---|---|---|
| AMD環境 | Intel環境 | ||
| CPU | Athlon II X4 630(2.8GHz) Athlon II X4 620(2.6GHz) Phenom II 905e(2.5GHz) |
Core 2 Quad Q9550(2.83GHz) | |
| マザーボード | ASUSTeK「M4A785TD-M EVO」(AMD 785G) | Intel「DG41TY」(Intel G41 Express) | |
| メモリー | DDR3-1066 2GB×2 | DDR2-800 2GB×2 | |
| ビデオカード | ATI Radeon 3870(メモリ512MB) | ||
| HDD | Seagate「ST3160812AS」(160GB) | ||
| OS | Windows Vista Ultimate SP2(32bit) | ||
| グラフィックドライバ | ATI Catalyst 9.9 | ||
まずは「CPU-Z」で新CPUの情報を見ると、いずれもPropusコアでコア電圧は1.35Vになっている。また、L3キャッシュの欄がグレーアウトしていることからも、L3キャッシュは搭載していないことがわかる。
(次ページへ続く)
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