AMDは、Socket AM3に対応するクアッドコアCPU「Phenom II X4 905e」(以下X4 905e)、トリプルコアCPU「Phenom II X3 705e」(以下、X3 750e)、デュアルコアとなる「Phenom II X2 550 Black Edition」(以下、X2 550BE)と「Athlon II X2 250」(以下、X2 250)を2009年6月2日、日本で発売すると正式に発表した。
Phenom IIは、これまでどちらかと言えばPhenomに対する上位モデル的な位置づけだったが、今回のラインナップを見て分かる通り、Phenom IIブランドながらデュアルコアのCPUがあったり、Socket AM3対応のAthlon X2ブランドがあるなど、ブランドの定義方法が若干変わり、Phenom IIシリーズで上から下までをカバーすることになった。
登場したCPUの特徴を簡単に解説しておくと、型番末尾に「e」が付くモデルは、消費電力を抑えた低電力モデルで、X4 905e、X3 705eともにTDP 65Wとなっている。どちらもCPUクロックは2.5GHzで、コア数が4か3という違いに留まっている。
そしてこれまでのPhenom IIにはなかった新機軸となるのが、X2 550BEだ。またAthlonブランドとしては初となるSocket AM3パッケージのAthlon II X2 250。どちらもデュアルコアで、CPUクロックは、X2 550BEが3.1GHz、X2 250が3GHzと、比較的高いクロックなのが特徴だ。またPhenom IIブランドのX2 550BEはL3キャッシュをサポートしているが、Athlon IIブランドとなるX2 250はL3キャッシュをサポートしない代わりに、L2キャッシュが1MB×2となっている。
なお今回登場した全てのCPUはSocket AM3パッケージとなっているため、Socket AM3/AM2に対応するマザーボードで使用可能だ。
CPUスペック | |||||
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モデルナンバー | Phenom II X4 905e | Phenom II X3 705e | Phenom II X2 550 Black Edition |
Athlon II X2 250 | |
CPUソケット | Socket AM3/AM2 | Socket AM3/AM2 | Socket AM3/AM2 | Socket AM3/AM2 | |
製造プロセス | 45nm SOI | 45nm SOI | 45nm SOI | 45nm SOI | |
CPUコア数 | 4 | 3 | 2 | 2 | |
動作クロック | 2.5GHz | 2.5GHz | 3.1GHz | 3GHz | |
HTクロック | 2GHz | 2GHz | 2GHz | 2GHz | |
2次キャッシュ | 512KB×4 | 512KB×3 | 512KB×2 | 1MB×2 | |
3次キャッシュ | 6MB | 6MB | 6MB | - | |
TDP | 65W | 65W | 85W | 65W | |
対応メモリ | DDR2-1066 DDR3-1333 |
DDR2-1066 DDR3-1333 |
DDR2-1066 DDR3-1333 |
DDR2-1066 DDR3-1333 |
|
店頭予想価格 | 2万1000円前後 | 1万3000円前後 | 1万1000円前後 | 9500円前後 |
全体的に、クロックが低いためか、価格も抑えられている。特に注目したいのはTDP 65WのトリプルコアCPUが1万円前半という点だろう。以前ほどではないにしろ、熱いと言われたPhenomシリーズだが今回のラインナップを見ると、かなり消費電力は期待できそうだ。
(次ページへ続く)

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