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最新パーツ性能チェック 第112回

AMD史上最高クロックのPhenom II X4 980 BEは買いか?

2011年06月15日 22時00分更新

文● 池座 優里

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 2011年6月10日、AMDからPhenom II X4の最上位モデル「Phenom II X4 980 Black Edition」(3.7GHz、以下980 BE)が発表され、秋葉原でも販売がスタートした。

4コアの最上位モデルとなる「Phenom II X4 980 Black Edition」。OPNは「HDZ980FBK4DGM」

 日本市場では「Phenom II X4 975 Black Edition」(3.6GHz)がいまだ発売されていないため、4コアのPhenom IIとしては2010年9月に発売された「Phenom II X4 970 Black Edition」(3.5GHz)以来の、久しぶりの新製品となる。
 すでに、次世代CPU「Zambezi」こと「AMD FX」シリーズの足音も聞こえる中で発売された「980 BE」は、K10マイクロアーキテクチャとしては最後の製品となる可能性もある。そんな、Phenomシリーズ最高クロックモデルの性能をチェックしていきたい。

動作クロックはAMD史上最高となる3.7GHzに到達

 Phenom II X4はプロセッサナンバーの末尾が「5」上がるごとに、クロックが100MHzずつ上昇している。980 BEの動作クロックもこのルール通り「Phenom II X4 975 Black Edition」の3.6GHzから100MHz向上し、3.7GHzとなっている。
 これは、AMD製プロセッサとしてはもちろん、TurboBoostやTurboCoreといった自動オーバークロック機能を除けば、デスクトップ向け4コア製品として最高クロックを更新したことになる。
 当初クロックが上がらず、更にはエラッタの問題が発生するなど苦難の船出を迎えたPhenomシリーズ。製造プロセスを微細化したPhenomIIシリーズが登場してからは比較的順調にクロックも上昇しているが、「3.7GHzまでよくクロックを上げてきたな」と正直感慨深いものがある。

CPU-Z 1.5.6による「Phenom II X4 980 Black Edition」(左)と「Phenom II X4 965 Black Edition」のステータス(右)

 CPU-Zのステータスを確認すると、既存のモデルからコアやリビジョンに変更はなく、L2キャッシュはコアごとに512KB、L3キャッシュが6MBなのも同様だ。もちろん、「Black Edition」のため、倍率変更によるオーバークロックも可能となっている。

今回テストに使用したASRock製マザーボード「890GX Extreme3」では、BIOSをアップデートしなくてもCPUを認識した

BlackEditionのため倍率変更によるオーバークロックももちろん可能だ

テスト環境

 さてCPUについて確認できたところで、早速ベンチマークテストにて性能をチェックしていくことにしよう。今回は980 BEに加えて、比較用として下位製品となる「Phenom II X4 965 Black Edition」(965 BE)と6コアのローエンド製品「Phenom II X6 1055T」(1055T)を用意した。

CPUスペック表
  Phenom II X4
980 BE
Phenom II X4
965 BE(125W版)
Phenom II X6
1055T
開発コード Deneb Deneb Thuban
コア数 4 4 6
動作クロック 3.7GHz 3.4GHz 2.8GHz
TurboCore時クロック - - 3.3GHz
L2キャッシュ 512KB×4 512KB×4 512KB×6
L3キャッシュ 6MB 6MB 6MB
TDP 125W 125W 125W

 テスト環境は以下の通りだ。

テスト環境
CPU Phenom II X4 980 Black Edition(3.7GHz)
Phenom II X4 965 Black Edition(3.4GHz/125W版)
Phenom II X6 1055T(2.8GHz/125W版)
マザーボード ASRock「890GX Extreme 3」(AMD 890GX)
メモリー A-DATA「AD3U1333C4G9-2」(DDR3-1333 4GB×2)
ビデオカード ASUSTek「EAH5850 DIRECTCU/2DIS/1GD5」(Radeon HD 5850/1GB)
HDD Seagate「Barracuda 7200.10 ST3500418AS」(500GB/SATA2) (160GB)
電源 Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)

125W版「Phenom II X4 965 Black Edition」。OPNは「HDZ965FBK4DGM」

同じく125W版「Phenom II X6 1055T」。OPNは「HDT55TFBK6DGR」

ベンチマークに使用したマザーボードは、AMD 890GXを搭載したASRock製マザー「890GX Extreme3」

メモリは、A-DATAの「AD3U1333C4G9-2」。安価ながらメーカー永久保証も付いている

ビデオカードはASUSTek製「EAH5850 DIRECTCU/2DIS/1GD5」。Radeon HD 5850を搭載したオリジナルヒートシンクモデル

(次ページへ続く)

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