カルデラ(株)は、『OPEN UNIX 8 Release 8.0J』(以下、OPEN UNIX 8)を発売した。
OPEN UNIX 8は、LKP(Linux Kernel Personality)テクノロジーを使用しており、Linuxのバイナリを直接OPEN UNIX 8上で実行することができる。LKPは、
- Linux ABI(Aplication Binary Interface)をサポート
- Linuxファイル名空間を分割
といった拡張をOPEN UNIX 8カーネルに行なうことで、Linuxのシステムコールを処理できるようにし、Linuxカーネル同様の働きをするようにした技術。単一のプラットフォーム上でUNIX、Linuxのアプリケーションを同時に実行することが可能になっている。通常、UNIXでは単一の/ファイル空間があるが、OPEN UNIX 8では、vxfsファイルシステム上のUNIX環境とLinux環境にそれぞれ/unixwareと/linuxという異なるファイル空間が与えられ、Linuxコマンドが実行される場合には、システムコールが自動的にファイル空間を/linuxに切り替えてコマンドを実行する。Linuxのファイルシステムは、ext2の読み込みのみがサポートされており、新たにext2ファイルシステムを作成したり、修正することはできない。RPMなどで配布されているLinux用バイナリのほとんどが実行可能だが、Linuxカーネルモジュールに依存するアプリケーションや特定のLinuxディストリビューションに依存するアプリケーション、Linuxファイルシステムを作成/変更するようなアプリケーションは実行できない。
また、OPEN UNIX 8は、32CPUまでのSMP、64GBのメモリ、7万6800TBのストレージをサポートしており、大規模なシステムにも対応している。
そのほかのOPEN UNIX 8の主な特徴は以下のとおり。
- UNIX / Linux汎用ドライバインターフェイス「UDI 1.0.1」をサポート
- カーネルダンプ解析ツール「KCrash」をサポート
- ファイルシステムの自動認識機能を追加
- 通常のファイルを特殊デバイスとして扱うことができるMarryコマンドとドライバを追加
- FAT32、VFATをサポート
- 無制限ユーザーライセンスの追加
動作環境は以下のとおり
- CPU……Pentium-100MHz以上
- HDD……1GB以上(LKP使用時は4GB以上)
- メモリ……64MB以上(LKP使用時は128MB以上)
価格は、60日間の試用ライセンスがついたメディアキットが9800円。60日以上の利用には、システムの規模にあわせて、以下のライセンスを購入する。
- ベースエディション(1ユーザー、1CPU、1GBメモリ)……9万円
- ビジネスエディション(5ユーザー、1CPU、4GBメモリ)……17万円
- デパートメンタルエディション(25ユーザー、2CPU、4GBメモリ)……30万円
- エンタープライズエディション(50ユーザー、4CPU、16GBメモリ)……71万円
- データセンターエディション(150ユーザー、8CPU、32GBメモリ)……140万円
また、各エディションからのCPU数追加やメモリ追加、ネットワークユーザー追加といった拡張や、ソフトウェア製品の利用には、追加ライセンスを購入することで対応する。販売、サポートはソフトバンク・コマース(株)、(株)ネットワールド、トーメンサイバービジネス(株)、(株)東和エレックス、ぷらっとホーム(株)などの、カルデラパートナー企業が行なう。