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(株)テンアートニ、『Javaデータベースによる新たなモバイル・Enbedded Solutionの実現』セミナーを開催

2001年09月11日 00時00分更新

文● 編集部

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(株)テンアートニは、『Javaデータベースによる新たなモバイル・Enbedded Solutionの実現』と題したセミナーを都内で開催し、米PointBaseのJavaデータベース『PointBase』を中心に、モバイル/組み込み機器が接続するワイヤレスネットワークの活用について、デモを交えた紹介が行なわれた。

『PointBase』は、大規模システムから組み込み機器までに対応したJavaベースのデータベース管理ソフトウェア。米Sun Microsystemsにより100%Pure Java認定を受けており、またメモリ消費が少ないため(最小構成では45KB以下)、WindowsやLinuxだけでなく、PDAや携帯電話でも動作する。San Fransiscoで6月に行なわれた「JavaOne」では、実際に米Motorollaの携帯電話で『PointBase』を動作させるデモを行なったという。11月にはバージョン4が発売される予定で、

  • エンタープライズ向け『PointBase Server』
  • 組み込み機器向け『PointBase Embedded』
  • PDA、携帯電話向け『PointBase Micro』

の3製品と、それぞれのデータ/アプリケーションを同期させるツール『PointBase MicroSync』が用意される。また、11月28日から横浜で行なわれる「JavaOne」では、日本の携帯電話で『PointBase』を動作させるデモを行なう予定。

『PointBase』の主な特徴は以下のとおり。

  • 100%Pure Javaによる実装
  • 『MicroSync』オプション(UniSyncより改称)により、『PointBase』シリーズ間でのデータ/アプリケーションの同期だけでなく、OracleやDB2などのデータベースとも同期させることが可能
  • モジュール化されたアプリケーションの組み合わせを変えることで、不要なアプリケーションを削除してフットプリントを小さくすることが可能
  • SQL2、JDBC1.1/2.0、TCP/IP、HTTPなどの標準に準拠
  • 標準で暗号化をサポートするほか、JavaやSQLセキュリティを利用可能

同製品は(株)オージス総研が日本語化などを行ない、(株)テンアートニが販売およびサポート提供を行なう。価格は未定。なお、(株)オージス総研のWebサイトから『PointBase 4.0評価版』をダウンロードすることができる。

『PointBase』の販売戦略を説明する(株)テンアートニ 執行役員 営業部門担当 傍島薫氏

『Javaデータベースによる新たなモバイル・Enbedded Solutionの実現』セミナー

セミナーではまず、(株)テンアートニ 取締役 Enbedded Systems事業部長 林正幸氏が『ポストPC時代のEnbedded Systemの取り組み』と題した講演を行なった。

(株)テンアートニ 取締役 Enbedded Systems事業部長 林正幸氏

同氏によれば、現在では有線/無線ネットワーク環境が急速に整備され、機器に依存せずネットワークを利用できるようになる「Ubiquitos」ネットワークが現実になりつつあり、プラットフォームに依存せずに利用できるJavaソリューションの需要が伸びるという。そして『PointBase』はモバイル機器や組み込み機器向けのデータベースとしてJavaソリューションの中心的な位置を占めるものであると位置づけた。

引き続き、米PointBase Vice President, Strategic RelationshipsのLarry Parish氏が、米PointBaseの概要と、50万ライセンス以上出荷したという経費管理システムや病院のカルテ管理システムといった米国での利用事例を紹介し、「日本市場でも成功することを期待する」と語った。

米PointBase Vice President, Strategic Relationships Larry Parish氏

次に、コンパックコンピュータ(株) エンタープライズビジネス統括本部 モバイルビジネス推進本部 モバイルビジネス推進部 部長 橋田和夫氏が『iPAQ Poket PC + PointBaseビジネスソリューション』と題し、同社のハンドヘルドPC『iPAQ』の概要と、同製品を中心としたモバイルビジネス戦略を紹介した。

コンパックコンピュータ(株) エンタープライズビジネス統括本部 モバイルビジネス推進本部 モバイルビジネス推進部 部長 橋田和夫氏

同社では今後の「ブロードバンド&モバイルインターネット」の実現により、新しいワイヤレスアプリケーションが現われると予想し、『PointBase』を『iPAQ』上でのデータベース連携アプリケーション開発を促進するツールとして活用し、企業向けソリューションを提供するとした。

休憩をはさんで再開された第2部では、(株)テンアートニ マーケティング担当の齋藤賢一氏による『PointBase』の機能説明とデモンストレーションが行なわれた。

(株)テンアートニ マーケティング担当 齋藤賢一氏

デモでは、Windows 98マシンに『PointBase Server』をインストールしたサーバに、Linuxを組み込んだ沖電気のインターネットアプライアンス『VT-i』をクライアントにしたカラオケシステムや、ノートPCをカーナビゲーションシステムとして用いた地図データベースシステム、『iPAQ』を用いた運送管理システムが紹介された。

デモンストレーション

カラオケシステム

Linuxを採用したインターネットアプライアンスで動くカラオケシステム。タッチパネルで操作する。
サーバ側に新しい曲を登録する。クライアントの「同期」ボタンを押すことで『UniSync』による同期が行なわれ、クライアントで新しい曲が利用可能になる。

カーナビゲーションシステム

カーナビゲーションシステムのデモ。カーナビ側のデータベースに登録されている情報を検索して表示することが可能。また、サーバから新しい情報をダウンロードすることもできる。

運送管理システム

運送管理システムのデモ。小売店のクライアントから注文が本部に送られる。
本部では、小売店から受けとったデータを運転手に割り当てる。運転手は『iPAQ』で本部のデータを受けとり、配達報告も『iPAQ』で行なう。
運転手の『iPAQ』。『PointBase』がインストールされていて、本部のサーバと『UniSync』でデータ同期することができる。

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