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【LinuxWorld Expo/Tokyo2001レポート】(その7)ターボリナックス ジャパン(株)のLinux戦略

2001年06月01日 10時21分更新

文● 編集部

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5月31日の「linuxWorld Expo/Tokyo」では、「Making Linux Work -Linux導入の実例-」と題し、ターボリナックス ジャパン(株)代表取締役社長 小島國照氏(以下、小島氏)が講演を行なった。

ターボリナックス ジャパン(株)代表取締役社長 小島國照氏

小島氏によると、まず目標とするのは「Linuxが注目されなくなること」だという。つまりLinuxが日常の生活にとけ込むことで、特別に注目されるようなものでなくなることを、最終的に目指すとしている。

次に、近年のLinuxの成長分野に触れ、サーバ市場、データベース市場、クラスタリング、アプライアンスといったものを挙げ、基幹系での成長が著しい点を指摘した。その理由として、

  • カスタマイズが自由
  • 情報が開示されているので、トラブルがあっても直せる
  • 多くのサーバに導入する際にライセンス料がかからない

といった点を上げている。また、最近注目を集めている、セットトップボックスなどの組み込み系システムにも触れ、「これからはホームサーバのLinux化が進む」だろうと予測している。

現在のターボリナックス ジャパン(株)の活動は、「Linuxのパイの拡大」、つまり現在のソリューション、プロダクション、テクノロジーのさらなる強化を目指すものであり、そのために、パートナー企業の支援を受けるのではなく、支援を与えるといった形での教育センターの運営、ハイエンドシステムに対応したソリューションの提供、エンドユーザーが簡単に操作できるようなインターフェース開発などを推進している。具体的な成果として、ターボリナックスの認定技術者である「Turbo CE」が昨年6月から今年の1月までに800人を輩出したことや、現在の最新バージョンの「TurboLinux Server 6.5」に搭載された、GUIで操作可能なインストーラ「Mongoose」、パーティション操作ツール「TFDisk」などを挙げた。

また、オープンソースの信頼性についても触れ、インターネットの基幹部分で用いられるようなシステムの多くはオープンソースのものが用いられており、すでに生活に浸透したものになっているとし、Linuxだけが特別扱いされるのはメディアの影響だろうと述べた。また、「TurboLinux Server 6.5」がシングルバイナリで多言語対応したことにも触れた。そこでは「ソフトウェアは社会や文化に根付いており、本来ローカルなものである」と語り、そのようなローカルなソフトウェアをグローバルなものとして使用するためのプラットフォームとしての可能性を指摘した。その上で、日本人のプログラミングの丁寧さは国際的な評価も得られるとし、海外で活動するのが重要だと述べた。

実際のソリューションの紹介では、データセンターやクラスタシステムなどの大規模システムの運用事例について紹介。いわゆるeコマースやWebシステムに関しては、「それはもう当たり前」であるとして、特別には紹介されてはいない。詳細についてはターボリナックス ジャパン(株)のWebサイトで紹介されている。

最後に、ブースでは、『Visor』とのデータ同期や、クラスタで使用できるグループウェア『iOfficeV3』、システム管理ソリューションツール、カーネル2.4に対応した「TurboLinux Workstation 7.0」といった、今回の「LinuxWorld Expo/Tokyo」でのブース出展内容について説明を行ない、壇を降りた。

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